新型コロナウイルス感染防止の対策として、3月下旬から在宅でのテレワークに移行し、はや4カ月近くが経過した。気が付けばあっという間のように思える。
弊社においては、緊急事態宣言の解除以降も、在宅でのテレワークが推奨されている状態にある。CNET Japan編集部でも、日によって取材などでオフィスへと出向くスタッフもいるが、おおむねそれぞれの自宅での作業を続けている。こと筆者においては、発表会も個別の取材もすべてオンラインで対応しているような状態が続いている。
在宅でのテレワークに入った当初は、机も椅子もないというところで、日々の作業や環境の構築に試行錯誤していた。しかしながら、モニターと机、椅子を導入し作業環境を整えてからは、快適な在宅テレワークライフを過ごせるようになった。2月以前の筆者はオフィスの滞在時間がかなり長く、ことあるごとに足を運ぶぐらいの状態だったものの、環境と整えてからは、もう会社に戻れないというぐらいの感覚にもなり、全くオフィスには足を運ばなくなった。
机も椅子もないなら「立つしかない」--在宅テレワークに突入した記者の“涙の試行錯誤”
素直にモニターと机、椅子を用意するべき--テレワーク環境「涙の試行錯誤」の結果
月日が流れて、6月末に社内における所用がありオフィスへと向かった。緊急事態宣言の解除後に一度だけ電車に乗って移動したことはあるものの、東京都内の都心部に行くこと自体、実に3カ月ぶり。通勤電車に乗り込むときに、思いのほか緊張した記憶がある。そしてオフィスに着き、3カ月前と何一つ変わってない自分の席に座って仕事をしてみると、快適な作業環境が整っていると感じたところがあった。
物を置くのに困らない広いスペースがある机に、小物が入っている引き出し。自宅で活用しているよりも画面サイズが大きいモニター。椅子も長年座り続けたものでもあるのか、久々に座っても違和感がなく、長時間座っても疲れにくいなどなど……。また、自宅のネット環境はVDSL方式であり、それでも日々の作業では不都合を感じることはなかったのだものの、こちらで慣れてしまったがゆえ、会社のネット環境だとウェブサイトのページを表示させる程度のことでも、体感で速いと感じられるほどだった。
ほかにも、一人暮らしなので自宅では人の目がなく、さらにテレビにゲームと誘惑にいざなうものも多い。もちろん意識を集中させて作業に取り組むのだが、オフィスであれば人の目があることも含めて、誘惑を断ち切りやすいのも利点だろう。
さらに、空調がきいていることも快適と感じられる要因のひとつ。この時期であれば暑さだけではなく湿度も気になるところ。もちろん自宅でも躊躇なくクーラーやサーキュレーターを活用しているものの、オフィスに入った直後の感想として「涼しい……じめじめしてない……」と思えるほど。また住宅街では環境音も気になるところで、好きな音楽をヘッドホンで聴くことによりある程度は解消できるものの、一番気になったのは、風が強いときに部屋の窓がガタガタと音を出すこと。築年数が相応にあるという事情もあるのだが、気になるところでもあった。これまで在宅の時間が少なかったがゆえ、気づいたところもいろいろとあった。
もちろん自宅の環境をさらに改善していけるところもあるが、在宅に慣れて3カ月ぶりだからこそ、オフィス環境や、そこで作業することの良さを実感したところ。また、出社したときは天候が良く、外出していること自体が気分よく感じられたことや、会社全体でも出社しているスタッフは数割程度という状態ではあったが、久々に会えたり、一言二言程度でも雑談できたのは嬉しかったのも本音としてあり、環境の整っているところに集まって働く魅力というものも感じることができた。
筆者が緊急事態宣言後にオフィスへ行ったのは、今のところ6月末と7月上旬の2度だけ。大きな要因は新型コロナウイルス感染リスクの回避であり、当面はその状況が続くものと思われる。ただ、状況が落ち着いてきたときに、以前のようにことあるごとに出社したいかと言われれば、職場の価値を実感したとはいえ、考えるところも本音としてある。移動時間や通勤時の天候、電車の混雑状況を踏まえて、いかに仕事がしやすい場所で作業するかを考えていく必要もあると思った次第だ。
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