アフリカ現地レポート

アフリカから情報発信しつづける日本人--「ルワンダノオト」竹田氏の原動力 - (page 3)

藤井涼 (編集部)2020年06月19日 09時00分
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 僕はあまり将来について考えるタイプではないのですが、仕事面ではルワンダでやっているツアー業を他のアフリカの国にも展開していきたいですね。まだまだ日本人に知られていない良い国や観光地はたくさんありますし、1人でもその土地に詳しい日本人がいるだけで安心して来れると思うので。また僕は情報発信も好きなので、それを組み合わせてやっていけたらもっと可能性は広がると思っています。

 ただ、現時点ですぐに他の国に展開することは考えていないので、今は1人でも多くの人をルワンダに呼ぶことが当面の目標かなと思います。いずれにしても、どこでも働いていけるというか、どこでも生きていけるようになりたいと思います。

新型コロナでツアーが中止に--「オンライン講座」に初挑戦

——【ここからは6月に実施した追加インタビューの内容です】ルワンダでの新型コロナウイルスの感染状況を教えてください。

 3月中旬ごろからルワンダでも感染者が出て、そのあとすぐにロックダウンしました。飛行機も当面飛ばなくなってしまったので、当然ツアー業などはできなくなってしまいました。

 ルワンダに住んでいる外国人向けの緊急便も出ていたので、それに乗るかどうか迷ったのですが、日本もコロナで慌ただしい状況だったのと、航空チケットもかなり高額だったので、いろいろな状況を考慮してルワンダに残る決断をしました。

 ルワンダの感染者数は6月2日時点で384名で、死者も2名なので封じ込め対策は上手くいっている方だと思います。ロックダウン中は、バイクタクシーも一切営業停止になり、レストランもすべて閉まっていたのですが、現在は規制が緩和されて、少しずつ日常が戻りつつあります。

人も車も通っていないロックダウン中の首都キガリ
人も車も通っていないロックダウン中の首都キガリ

——日本人向けのツアー業はしばらく難しいと思うのですが、どのような経緯でオンライン講座であるオンライン・スタディツアー「START」を始めたのでしょう。

 ツアー業ができないので、何か新しい形の仕事をしなきゃいけないと考えていたところ、この夏にルワンダに渡航予定だった、知り合いの日本の大学の先生から連絡が来ました。

 その内容は、現地に生徒たちを連れていくのが難しくなってしまったので、竹田さんにルワンダの街中や虐殺記念館に行ってもらい、その様子を中継してオンラインで質疑応答してもらうことはできないかという相談でした。そこからヒントを得て、オンライン講座につながっていったという流れですね。

——ビデオ会議ツールのZoomを使って、ルワンダを舞台に国際協力やグローバルキャリアについて学べるオンラインプログラムとのことですが、いつから開始したのですか?また、集客はどうされたのでしょう?

 オンライン講座を思いついてから5日くらいで募集を開始して、実際に第1期を開始したのが5月の頭ですね。カリキュラムは主に「ルワンダ講座」「自己分析」「講演会」「交流会」という4つのカテゴリで組んでいます。

オンライン講座の様子
オンライン講座の様子

 集客については、5月度は参加者が67名だったのですが、そのうちの4分の3くらいがTwitterからの流入でした。僕がメインで使っているSNSがTwitter(@NoReHero)なのですが、フォローしてくださっている方には、アフリカに興味がある人や、青年海外協力隊に興味がある人が多かったので、オンライン講座との親和性が高かったのだと思います。

 また、4月に「アフリカトークリレー」という、アフリカで活動している人たちが対談しながらリレーをつないでいくオンラインイベントがありまして、そこで僕のことを知って、オンライン講座に参加していただいた方もいましたね。

 参加者の年齢は10〜20代が8割くらいで、学生と社会人が半々くらいでした。今年、海外インターンや留学をする予定だったけれど新型コロナでなくなってしまった人、あとは青年海外協力隊として派遣される予定だったけれど延期になってしまった人などが多かったですね。

——第1期のオンライン講座の参加者からは、どのような感想やフィードバックがありましたか?

 やはりオンラインだからこそ与えられる価値があったと思います。今回の参加者には大学生も多かったのですが、特に地元から上京したばかりの1年生の方は、新生活を始めたのに新型コロナによって全然大学にも行けず、孤独や不安を感じていると思います。また、国際協力やアフリカについて興味があるという人も少数派です。

 そのような状況の中、オンラインで全国から同じ価値観や志を持った人と交流ができるところに、すごく魅力を感じてもらえました。オンライン・スタディツアーは1カ月単位で開催しているのですが、5月の第1期のメンバーとは「コロナが終息したら、オフ会をやりたいよね」と話しています。

オンラインスタディツアー参加者たちとの交流会
オンラインスタディツアー参加者たちとの交流会

 もちろんルワンダや協力隊の知識をオンラインで伝えられたこともよかったのですが、一番大きかったのは参加者の交流を作れたところですね。新型コロナがなければオンライン講座自体もやっていなかったですし、こういう制限された状況だからこそ新しい取り組みもできるのかなと実感しましたね。

——オンライン講座の収益についてはいかがでしょうか?

 そこは悩んだところでした。5月はコロナの状況もあり、あまり値段は上げたくないと考えて、1コマあたり500円に設定しました。全部で14コマ用意したのですが、すべて参加いただいた方には、皆勤賞プランという形で本来は7000円のところ5000円で提供しました。

 ただ、1コマ1時間で500円は正直、運営としては結構つらいものはあったのですが、やはり大学生の方たちはいまアルバイトもできない状況だったりするので、あまり負担が大きいのはちょっと申し訳ないと思い、あえてワンコインで参加できる料金設定にしました。

——オンライン講座は今後、どうされていくのでしょう。

 今後はオンラインサロンのような機能を設けていく予定です。ただ、そこも僕の中で迷ったところの1つでした。というのも、実は昔、オンラインサロンみたいなものを仲間と立ち上げたことがあったからです。

 そのオンラインサロンでは、毎月数千円の会費をいただきながら、新しい働き方を考えるコミュニティを運営していたのですが、その金額に見合う価値をなかなか継続的に提供することが難しく、段々と負担に感じるようになりました。また、僕もちょうどルワンダに移住するタイミングだったので、あまりそこにコミットができなくて、これは良くないねということで数カ月ですぐに終了したんです。

 その経験があったので、妻に相談したところ、「継続的にやるんじゃなくて、1カ月限定とかでやれば、そこまで負担がなくできるんじゃないか」と言われまして、確かにそうだなと思い、いまのオンライン・スタディツアーを企画したという経緯があります。

 ただ、実際にやってみると参加者同士の交流にすごく価値を感じてもらえたので、ここで途切らせてしまうのはもったいないと思いました。なので、今後は新規の人向けには毎月スタディツアーを開催しつつ、その後も残って交流をしたい人向けの場を提供するという、ハイブリット型で運営できればと思っています。

——新型コロナウイルスが終息したら、またリアルのツアーに軸足を戻す予定ですか?

 そうですね。どうしても収益についてはリアルツアーの方が大きいので、今後はオンラインツアーと並行して実施していくと思います。今回のオンラインツアーに参加したことで、よりルワンダに興味を持ち、現地に行きたくなったという声もいただいたので、オンラインツアーの参加者にリアルの場で体験してもらえる機会は作っていきたいですね。

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