iPhoneリリースサイクル遅れの懸念、影響は--Appleニュース一気読み

 4月27日~5月3日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。Appleは例年、9月第2週にイベントを開催して新型iPhoneを発表する。これを1年間販売し、翌年に新しいデバイスを発表する──というサイクルを守ってきた。しかし2020年は、そのサイクルが1カ月ほど遅れて進行する可能性をWall Street Journalが伝えた。

 実際、すでにiPhoneの計画は1カ月後ろにズレていると見ることもできる。4月に発売されたiPhon SEは、もともと3月に発表されるはずだったが、2月ごろの報道で1カ月延期するとの見方がすでに広がっていたからだ。

 iPhoneの2020年モデルが1カ月遅れるなら、2020年10月に発表・発売が行われることになる。そのことに対する影響を上げると、次のようなものになる。

  • 2019年モデルのiPhone 11、iPhone 11 Proが最上位モデルである期間が1カ月伸びる
  • 2020年9月末から始まる2021年第1四半期の決算において、最新のiPhone販売期間が1カ月程度短く計上される

 これについて、影響をどう見るかが問題だ。これまでであれば、第1四半期はホリデーシーズンを含み、売上高が最大化する3カ月だ。iPhoneの新モデルはその販売の中心的な存在となり、これが1カ月短い期間の販売となることは、Appleの決算にとって重大な問題となる。

 しかし最新の2020年第2四半期決算でも同様だったが、iPhoneの売上高減少を、ウェアラブル、サービスの両部門がカバーし、最終的に全体の売上高を成長させる図式となっていた。となると、iPhoneの1カ月の遅れの影響は、さほど大きいものではない可能性もある。

 Appleの決算は売上高538億ドルで前年同期比1%増、アナリストの平均であった547億ドルを大きく上回った。

アップル、次期主力iPhoneの量産を1カ月延期か(4/28)

 全体の売上高は583億ドル、1株あたり利益は2.55ドルだった。いずれも前年同期比で増加しており、Yahoo集計のアナリスト平均予測(売上高547億ドル、1株あたり利益2.28ドル)を大きく上回った。

アップル、「iPhone」は新型コロナで不振も増収達成--サービスなどが好調(5/1)

Face IDの問題、緩和へ

 iPhone SEはミドルレンジに位置するスマートフォンとして登場したが、特別な指示を集めた理由はTouch IDの搭載だった。すでに主力製品では、セキュリティをより強化した顔認証のFace IDへと移行している。しかしFace IDには、現在特有の問題が生じている。

 Face IDは顔をモデル化し、毎回瞬時に読み取ってロックを解除する仕組みだ。しかし新型コロナウイルスの感染予防から、世界中の人々がマスクを着用するようになり、マスク着用時にFace IDの認証ができなくなってしまうのだ。

 この問題は、インフルエンザ感染予防から花粉症予防まで、実に半年近くをマスク着用で生活する日本ではすでに顕在化していた問題だったが、これが世界中に共有されることとなり、Appleも対策に乗り出した。

 iOS 13.5のベータ3では、ユーザーのマスク着用を認識すると、Face ID認識を再度試みるのではなく、パスコード入力へとすぐに移行させる仕組みを取り入れる。これにより、Face IDの認識不成功を繰り返してからパスコードを入力する、といった現在の手順を簡略化することができる。

 もちろん、これで問題が解決されるわけではない。パスコードを数字6桁に設定しているユーザーも、1日に何度もパスコードを入力しなければならなくなるし、より複雑な、例えば英数字を混ぜた12桁のパスコードを設定しているよりセキュリティに注意深いユーザーの場合、マスクをずらして口を露出させたほうが早くなる。

「iOS 13.5」ベータ3、マスク着用時のロック解除を容易に(4/30)

AppleとGoogleが取り組む追跡アプリ実現へ向け一歩

 AppleとGoogleのスマートフォン向けOSを合わせると、世界中のスマートフォンのほぼすべてをカバーする。そこでスマートフォンに搭載されるBluetoothを用いて、匿名を守りながら人々の接触を記録し、新型コロナウイルスの感染者との接触を後からでも知ることができる仕組みに共同で取り組みを明らかにした。

 そのAPIと、これに対応するベータ版のOSも登場し、公衆衛生に関わる開発者のアプリ開発が可能となっている。これらの急速な環境整備は、AppleとGoogleが手を取って実現した。

 ただアプリがバックグラウンドの際にBluetooth通信を許可しないなど、Appleのプライバシー、セキュリティ対策に穴を開ける方法を模索した結果だった、と評価している。

 例えばドイツは、情報を集約して接触記録をとる仕組みの構築を目指していたが、iPhoneのセキュリティから断念した経緯がある。またフランスも、iPhoneのBluetooth機能のセキュリティ緩和を要請してきた。

ドイツのコロナ追跡アプリ、アップルとグーグルの分散型アプローチに方針転換(4/28) アップルとグーグルの新型コロナ追跡技術、一部の開発者がベータ版を利用可能に(4/30)

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