作業を中断させる要因は、外的要因だ。例えば、配達ドライバーがドアをノックして、隣人の荷物を代わりに受け取ってほしいと頼んでくるかもしれない。また、自宅にいるからといって休んでいるわけではないということを理解できない家族やペット、友人から邪魔されることも考えられる。ドアを閉じられる環境や「取り込み中」と書かれたプレート、ノイズキャンセリングヘッドホンなどはすべて役立つだろう。
気を散らす要因は、作業を中断させる要因とは若干異なる。これらは主に、自分が慣れ親しんだ環境とは異なる環境にいることで生じる。つまり、習慣が乱れて、優先順位が曖昧になってしまうのだ。
オフィスでは、(ほとんどの場合)優先順位が明確に定義されている。自分は、仕事をするためにそこにいる。自宅では、優先順位が異なる。楽しい時間を過ごすことや料理、食事、掃除、テレビ鑑賞などが上位を占めている。家というものが、ほぼ、仕事と関係のないものに定義されているということだ。
自宅に仕事を持ち込めば、この区分が曖昧になってしまう。在宅勤務が初めての場合、そして、現在の状況を考えると、特にそうだ。そして、この2つは両立可能だと考えてしまいがちだ。だから、電話会議中に皿洗いをしようとしてしまう(そして、それは全員にばれてしまう)。この状態を解決するには、仕事に関する新たなルーティーンを決めて、作業に集中しやすくする必要がある。在宅勤務に関するヒント集で必ず、ベッドから起きて、服を着替え、決まった時間に仕事をするように推奨されているのは、そのためだ。可能であれば、毎日自宅の決まった場所で仕事をして、その場所に行けば自然に集中できるようにするといい。
在宅勤務者の3人に1人(35%)は、同僚やクライアントとの共同作業について懸念している。基本的な電子メールからSlack、「Microsoft Teams」、そして、「Zoom」のようなビデオ会議アプリまで、分散したチームのコラボレーションを維持するためのツールはたくさんある。
しかし、そうしたツールがこれほど多く存在することには、理由がある。どのツールにも弱点があり、人間同士が直に対面するときの情報の豊かさを完全に再現できるものは1つもない。特に、電子メールなどのテキストのみのツールに依存すると、一緒に作業するのは難しく、誤解も生じやすくなる。急いで書かれた電子メールや言葉遣いが拙いSlackのコメントは誤解されやすく、冗談を言おうとしても、悲惨な結果を招くことになりがちだ。皆がすでに緊張状態にある場合は、なおさらである。
込み入った話や物議を醸すかもしれない内容のメッセージを伝えたい場合、オフィスで相手のところまで歩いて行って話をした方がはるかによいのと同じように、電話で伝えたり、簡単なビデオチャットをしたりする方が得策だ。
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