仮想現実(VR)ゴーグルそのものや、VRゴーグルで体験中のコンテンツを操作する手段として、何らかの方法で取得した手や指の動きを利用する技術がいくつも考案されている。これまでも、ソニー傘下のSony Interactive Entertainment(SIE)による手袋型コントローラー、サムスン電子の磁気センサー技術、Facebookの映像解析技術といったものを紹介してきた。
これに対しAppleは、指輪で得た指の動きをVRゴーグル制御に使う技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間3月3日に「EXPANDABLE RING DEVICE」(特許番号「US 10,579,099 B2」)として登録された。出願日は2019年2月7日、公開日は2019年10月31日(公開特許番号「US 2019/0332140 A1」)。
この特許は、センサー付き指輪で取得した情報を外部のデバイスへ伝える技術を説明したもの。第1クレーム(請求項)には、指輪型デバイスで指の曲げられた角度を取得する動作しか記載されておらず、第2クレームに外部デバイスへ情報を送信するアイデアへの言及がある。さらに、外部デバイスをヘッドマウントディスプレイ(HMD)と限定し、HMDで表示しているコンテンツの操作にこの情報を利用するアイデアは、第20クレームで登場する。
最大の特徴は、ある種の機構でこの指輪に指の先方向へ伸ばせる仕組みを設けた点。そして、この仕組みを活用して曲げられた指の角度を計測する。計測用のセンサーとしては、超音波センサー、慣性センサー、光学センサー、接触センサー、近接センサー、ひずみセンサー、加速度センサーなどが想定されている。
また、指輪を伸ばすための機構は、一部が回転して飛び出すもの、筒状に収納されている部分を引き出すもの、巻物状に収納されている部分を広げるものなど、さまざまな仕組みが説明されている。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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