「Apple Watch」のようなスマートウォッチは、手首に目をやればハンズフリーで通知や着信などの情報確認ができて便利だ。ただし、細かな操作をしたり、メッセージに返信したりするには、タッチパネルやボタン、ダイヤルなどを手で操作する必要があり、ハンズフリーのメリットが損なわれる。
そこでAppleは、腕の傾きや、手を握るといった動作で操作可能な電子デバイスに関する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間2月11日に「INTERACTING WITH AN ELECTRONIC DEVICE THROUGH PHYSICAL MOVEMENT」(特許番号「US 10,558,278 B2」)として登録された。出願日は2018年3月27日、公開日は2019年1月17日(公開特許番号「US 2019/0018506 A1」)。
この特許は、画面やボタンなどに触れず、傾かせて操作できる電子デバイスを実現するため、必要な技術を説明したもの。第1クレーム(請求項)では単に「electronic device(電子デバイス)」としているが、第2クレームで手首の回転に言及しているうえ、実施例では手首に装着するウェアラブルデバイスを使っているため、スマートウォッチへの適用が想定される。
デバイスは情報表示用の画面と、傾きを検知するサンサーを備える。画面に表示されるマウスポインターのようなオブジェクトは、傾きに応じて動くよう制御される。この仕組みを利用することで、かかってきた電話を受けたり拒否したりするボタンの選択、といった操作が、腕を傾かせて実行可能となる。
さらに、手首の血流パターンを計測することで、手を握っているか開いているか区別する仕組みを設けると、腕の傾きと組み合わせた操作も実現できる。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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