折り曲げられる表示デバイスが実用化されたことで、「Galaxy Fold」「Motorola Razr」といった折りたたみ式スマートフォンが登場した。最近では、「Lenovo ThinkPad X1 Fold」のように折りたためるノートPCまで現れた。
これに対し、Appleは1枚のガラスでできたクラムシェル型電子デバイスを実現させるのに必要な技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間2020年1月23日に「ELECTRONIC DEVICE WITH GLASS HOUSING MEMBER」(公開特許番号「US 2020/0026327 A1」)として公開された。出願日は2019年5月1日。
この特許は、1枚のガラスで作るクラムシェル型PCのような電子デバイスを説明したもの。ガラスは、情報表示装置として機能する上部、ユーザーが何らかの情報を入力するための下部、両者をつなぐ滑らかにカーブした接続部、という3つの要素に分かれる。つまり、下部にキーボードやタッチパッドのような入力機構を、上部にディスプレイのような表示機構を組み込めば、PCのように使用できる。
上部のディスプレイを接続部や下部まで広げて取り付けたり、逆に下部の入力装置を上部へと拡張したりすれば、タッチパネル付き画面の設けられたPCやタブレットのようなデバイスとなる。接続部に柔軟性を持たせると、下部に対する上部の角度を変更することが可能になる。
さらに、脱着可能なキーボードと組み合わせ、同特許のデバイスをドッキングステーションのように使うアイデアにも言及している。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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