仮想現実(VR)ゲームのVR空間で何らかのアクションをする際、手にしたコントローラのボタン操作を要求されると、ゲームの場面によっては興ざめだ。VR空間にプレーヤの手が現れ、ゲーム内のコンソールをその手で扱えたりすると、没入感が損なわれずに済む。
そこで、ソニー傘下のSony Interactive Entertainment(SIE)はVR空間でユーザーの指の形まで再現する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間5月30日に「MAGNETIC TRACKING OF GLOVE FINGERTIPS WITH PERIPHERAL DEVICES」(特許番号「US 9,665,174 B2」)として登録された。出願日は2015年4月15日、公開日は2016年8月25日(公開特許番号「US 2016/0246370 A1」)。
この特許は、ユーザーがVRゴーグルを装着して操作するVRコンテンツで、手の位置や指の形をVR空間内に再現して表示する技術を説明したもの。手の位置と動きは、カメラで撮影した画像から取得する。指の形は、手袋型コントローラに組み込まれた何らかのエネルギー場を作るデバイスと、そのエネルギーに反応する近接センサから得る情報を利用して決定する。
エネルギー場形成デバイスと近接センサの具体的技術について、第1クレーム(請求項)では言及されていない。そして、場形成デバイスとして3個以上の電磁石を手袋の手首部分へ仕込むことが第3クレームに、近接センサとして手袋の各指先端へ磁気センサを仕込むことが第4クレームに記述されている。つまり、磁気センサで5本の指がそれぞれ手首からどれだけ離れているか計測し、この情報にもとづいて手の形を決める、という仕組みだ。
この技術を使えば、手の位置だけでなく、自由度の高い指の動きまで使ってVRコンテンツを操作できる。多彩なジェスチャーで細やかな操作をしたり、VR空間に現れる複雑なデバイスを自在に操ったり、という演出が可能になり、VRコンテンツへの没入感をさらに高められるだろう。
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