Mistry氏は、もう少しかみ砕いて説明してくれた。Neonは、「人間が行ける場所ならどこへでも行く」ことのできる「バーチャルな個人」だという。
ユーザーは、Skypeや「FaceTime」を使用して両親と話すときと同じように、スマートフォンでNeonとビデオチャットしたり、スマートテレビにNeonを表示させたりすることができる。Neonはミニチュアのようなものではなく、「本物の人間と同じような特性とスケール」を持つ。スマートフォンでNeonとビデオチャットをしているとき、ユーザーはあたかも普通の人間と話をしているかのように感じるだろう。
Mistry氏は「将来的には、ホログラフィックが登場して、Neonの一部になるかもしれない」と語ったが、Neonが物理的なロボットとして実体を持つようになる予定はないとしている。それはNeonの計画ではない。
Neonは本物の人間の特徴を参考にして、見た目や声を似せることができるが、実在する人間の正確なコピーにはなり得ない。その点は、Neonが高度なディープフェイクにすぎないのではないか、という懸念を抑える要素かもしれない。そして、Neonはそれぞれ唯一の存在であり、独自の性格を持つという。
「Neonの最初の段階は、本物の人間との類似性を持つことだ。だが、Neonの動きや振る舞い、学習のしかたは、Core R3によって作り出される」(Mistry氏)
このテクノロジーは完全にオリジナルな人間の外見を作り出すことができるが、ユーザーが独自のNeonを作ることはできない。
「友だちと知り合うとき、自分が作るのは友情だ。友人そのものを作り上げるわけではない」。Mistry氏は、そう説明した。同じように、Neonを雇う企業がNeonの外見を決めることはできないという。
「ある銀行が『スペイン語を話せる担当者を雇いたい』と言った場合、その銀行は『このような見た目の人がいい』と指定することはできない。人を雇うとき、あくまでもその人の素質を見て雇うはずだ」(Mistry氏)
Mistry氏は、Neonがデジタル版の「日記帳」、つまり自分の秘密を打ち明けられる友のような存在になると考えている。
Neonは高度な人工知能によって運用されており、ユーザーとのやりとりから常に学習し、記憶を形成していく。より人間らしくなるために学習するが、その成果は、Neonの中心となるCore R3システムと共有される。だが、そのようなNeonとユーザーとの特定の経験は、非公開で暗号化された状態に維持される。何が起きたのかを知っているのは、ユーザーと、やりとりを交わしたそのNeonだけだ。
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