Appleのスマートウォッチ「Apple Watch」は心電図の計測機能を備えており、心臓の動きに不規則なパターンを検出すると警告してくれる。こうした機能を心臓疾患の治療に活用している例もある。さらに、常時装着しているというスマートウォッチの特性をいかし、Appleはパーキンソン病患者向けの健康管理アプリを開発した。
そのAppleが、パーキンソン病にともなう振戦(しんせん)やジスキネジア(ジスキネジー)と呼ばれる運動障害をウェアラブルデバイスで検知するため、必要となる技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間12月5日に「PASSIVE TRACKING OF DYSKINESIA/TREMOR SYMPTOMS」(公開特許番号「US 2019/0365286 A1」)として公開された。出願日は2018年6月1日。
この特許で説明された技術の目的は、スマートウォッチやアクティビティトラッカーなど、ユーザーの手や足に装着するデバイスを使い、ジスキネジアと呼ばれる手足の不随意運動、パーキンソン病による手や足などが震える振戦を検出すること。手や足の動きは、デバイス内の加速度センサーやジャイロスコープでとらえる。
手や足の動きに関するデータはデバイス内のコンピューターで解析し、ジスキネジアや振戦の兆候がないかどうか監視する。疑わしいデータを発見したら、何らかの方法でその情報を出力する。
具体的な情報出力方法は、クレーム(請求項)で言及されていない。ただ、デバイスのコンピューターとつながった出力デバイス、と記述されているだけだ。実施例には、ウェアラブルデバイスの画面に表示する動作の説明がある。さらに、ウェアラブルデバイスから医療センターへ情報を送信する動作の説明もあった。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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