Googleの新しい「Pixel 4」は、レーダーを搭載する初のスマートフォンになる。Pixel 4には、Googleが一連の機能を提供するために採用したモーションセンサーが搭載されている。このセンサーにより、ハンズフリーでデバイスを操作したり、より早い顔認証によるロック解除(ただし、これについては後述する)などが可能だ。Googleはこのセンサーに「Motion Sense」という分かりやすい名称を付けた。
多数のスマートフォンメーカーがここ数年、モーションコントロールを試している。カメラセンサーを使って、ユーザーの位置を検知したり、写真ギャラリー内の写真の閲覧や音楽アプリの楽曲切り替えなど、ユーザーがやりたいことをハンズフリーで解釈したりするのだ。LG Electronicsの「LG G8」のように、特定のアプリを起動するために指で鳥のくちばしの形を作ったり、ダイヤルを回す真似をする動作の組み合わせを作ったメーカーもある。
これまでのこうしたぎこちない試みに足りない要素は、少なくともGoogleに言わせれば、レーダーだ。同社はレーダーを使うことで、ユーザーの動作検知をより早く、便利にしたいと考えている。
話を始める前にまず、レーダーの役割は顔認証によるロック解除とイコールではないことを知っておこう。GoogleのMotion Senseは、ユーザーがPixel 4に近づくのを検知してディスプレイを点灯し、ユーザーの顔が顔認識センサーの範囲に収まるまでを担う。Motion Senseのレーダーの役割はここまでだ。Googleが「Soli」と名付けたこのレーダーは、ユーザーが本人であることを確認するための顔のスキャニングはしない。
顔認証担当は、ユーザーの顔面に赤外線の点を照射する赤外線カメラだ。Appleが「iPhone」の「Face ID」で採用しているものと同様だ。ユーザーの顔に何個の点が照射されるのかは分からない(問い合わせ中)が、実際のロック解除を担うのは、この深度マップだ。Motion Senseは、プロセスを高速化するだけだ。Motion Senseのお陰で、ロック解除のためにスワイプしたり、起動させるために端末を持ち上げたりする必要がない。
Motion Senseは、ユーザーがデバイスに向かって手を伸ばしたり、手を左右に振ったりすると、それを検出する。Motion Senseを使ってできる操作は以下の通りだ。
GoogleはMotion Senseで、カメラにユーザーを「見せる」よりも、レーダーを選んだ。その方が検知できる範囲が広く、省電力でもあるからだ。レーダーは電波を使って、物体のサイズ、位置、近接度を計測する。ユーザーはMotion Senseの機能を(その一部でもすべてでも)無効にできるが、有効にしていれば、常にユーザーを検知している。
Googleは、この技術は60GHzの無線周波数を使っており、この周波数であれば、あまり遠くまで届かず、必要な安全要件はすべて満たしていると説明する。
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