AppleはiPhoneに採用したテクノロジーをiPadへ活用し、それをMacにも取り入れる、というサイクルで、技術標準やユーザー体験のスタンダードをApple製品全体で引き上げていく成長ルールを実践してきた。
2010年のiPhone 4で採用された高精細のRetinaディスプレイは、その後、第3世代のiPadに採用され、2012年のMacBook Proにも高精細ディスプレイが採用された。2011年のiPhone 4Sに入ったSiri、2013年のiPhone 5sに搭載されたTouch ID、2017年にiPhone Xに搭載されたTrueDepthカメラも、同様に、Apple製品全体の共通仕様となった。
そう考えると、こうした技術トレンドから取り残されているiMac、そしてMacBook Proの将来像が見えてくる。TrueDepthカメラを搭載して顔認証をサポートし、優秀な外部グラフィックスチップがなくても、ニューラルエンジンを用いて機械学習処理を高速化すること。そしてディスプレイの性能を、iPhone XやMac Proととも発表されたPro Display XDRの100万対1のコントラストに近づけることだ。
これらの仕様にマッチさせるためにデザイン変更が必要になるのは、ディスプレイだろう。もし液晶のまま高コントラストを実現するには、高い排熱を伴う高輝度バックライトを焚かなければならないからだ。例えばMacBook ProをXDRに対応させる場合、おそらくiPhoneと同じように、有機ELディスプレイへ移行する必要があるかもしれない。その場合、現在のデザインを維持しながらの移行することになる。
一方iMacについては、ディスプレイと本体のセパレート型として問題解決を図ることも考えられる。もっとも、Pro Display XDRとMac miniを組み合わせれば同じことかもしれないが。
次回は、Apple WatchやAirPodsなどのウェアラブルデザインを見ていく。
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