アクロディア代表取締役社長の堤純也氏は、athle:techを野球に限らず、ほかのスポーツにも広げていく予定を明かした。まず、2019年秋には内外ゴムと共同で開発したセンサー内蔵軟式野球用ボールを発売する。その後ソフトボール、サッカー、クリケットなど対応競技を増やしていく予定だ。
また、6月17日には、センサー内蔵ゴルフボールの試作と商用化に向けて住友ゴム工業と協業することを発表している。このボールは、アプローチショットやパッティングに向けたものになるという。
さらに、athle:techをほかの業者にも開放し、分析サービスを提供する企業や、計測用器具(ボールなど)を提供する企業も自由に参入可能とすることも視野に入れているという。2020年以降には本格的な世界進出を計画しており、いずれはこの分野で世界のデファクトスタンダードとなることを目指すとした。
KDDIの繁田氏は、athle:techの料金プランをサブスクリプションモデルを基に、一時的なサービスを提供してその料金も都度受け取る「リカーリングモデル」としていく計画を示した。
「利用者が増えれば、センサーなどの機器の生産量が増え、機器1つ当たりのコストが下がる。さらに、利用者が増えることで取得して分析対象にできるデータ量も増大し、解析能力が上がる」(繁田氏)と語り、サブスクリプションモデルを導入して、利用開始時のコスト障壁を小さくする考えを示した。加えて、「コーチ紹介や用具販売といった一時的なサービスも提供し、その都度料金を受け取ることも考えている」と語った。
日本のアマチュアスポーツ界を見ると“教育の一環”という名の下に、厳しい練習にただ耐える忍耐力を求め、絶対的な上下関係を守ることを強要する例が少なくない。その最たる例が2018年に発生した日本大学アメリカンフットボール部の危険タックル事件であり、真夏の最も暑い時間帯に炎天下で試合を強行する全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)と言えるだろう。
忍耐力を教えることも、上下関係を守ることを教えることも教育だろう。しかし、日本のアマチュアスポーツ界の教育は、そこで終わっていないだろうか。選手の能力を示す数値を示し、どのように改善していくかを指導者が選手とともに考え、技術向上に向けて試行錯誤を繰り返すことこそが「教育」とは言えないだろうか。athle:techの普及で、全国のアマチュア競技者が技術向上のために考えながら練習できる環境が整うことを期待したい。
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