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KDDIらが“スポーツIoT”プラットフォームを発表--センサー内蔵ボールで投球データを蓄積

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 アクロディアとKDDIは7月1日、スポーツ競技者と指導者に向けたスポーツIoTプラットフォーム「athle:tech(アスリーテック)」を7月9日から提供すると発表した。第1弾として、アクロディアが2017年12月から販売している各種センサー内蔵硬式球「Technical Pitch」のユーザーを対象に、計測データの蓄積と、ランキング表示の機能を提供する。Technical Pitch購入者なら無料で利用できる。

左から日本クリケット協会 事務局長 宮地直樹氏、内外ゴム 営業本部 神戸スポーツ用品部 安樂貴史係長、住友ゴム工業 スポーツ事業本部 商品開発部 堀内邦康氏、KDDI ライフデザイン事業本部 ライフデザイン事業企画本部 ビジネス統括部 繁田光平部長、アクロディア 代表取締役社長 堤純也氏、エスエスケイ 事業推進本部 ベースボール事業部 開発生産チーム 香月昭夫次長
左から日本クリケット協会 事務局長 宮地直樹氏、内外ゴム 営業本部 神戸スポーツ用品部 安樂貴史係長、住友ゴム工業 スポーツ事業本部 商品開発部 堀内邦康氏、KDDI ライフデザイン事業本部 ライフデザイン事業企画本部 ビジネス統括部 繁田光平部長、アクロディア 代表取締役社長 堤純也氏、エスエスケイ 事業推進本部 ベースボール事業部 開発生産チーム 香月昭夫次長

センサーを内蔵した硬球で投球データを収集

 Technial Pitchは硬式野球ボールと同じ素材を使用し、中核部に3軸加速度センサー、3軸磁気センサー、3軸角速度センサー、Bluetooth通信機能に加えて電池を内蔵したもの。大きさと重さは公認野球規則に準拠しており、公式試合で使用する硬球と同じ感覚で使用できる。

 野球の投手が投球時にボールにかける力をセンサーで検知して、Bluetoothでスマートフォンに送信する機能を持つ。スマートフォンが受信したデータは専用アプリケーションが解析し、急速、回転数、回転軸の方向、球種、変化量、腕の振りの強さを算出し、画面に表示する。

アクロディアのセンサー内蔵硬式球「Technical Pitch」
アクロディアのセンサー内蔵硬式球「Technical Pitch」

 今回のathle:techは、KDDIとの協業で開発したもので、球速、回転数、回転軸の方向のデータを蓄積し、投手個人の投球が日々どのように変化しているのかを確認可能とするサービスと、日本全国のathle:tech利用者の球速と回転数のランキングを表示するサービスを提供する。

 ランキング上位者の数値と、自身の数値を比較することで、日本国内における自身の実力を把握でき、改善すべき点が明確になる。チームで利用すれば、所属する投手それぞれの特性を把握して、場面に合わせた最適な起用が可能になるほか、個々の投手のコンディションを把握、管理できる。

感覚だけを頼りにした指導から、数値の裏付けがある指導へ

 KDDI ライフデザイン事業本部 ライフデザイン事業企画本部 ビジネス統括部の繁田光平部長は、アクロディアとの協業でathle:techの提供を始めることになったきっかけとして、アマチュアスポーツ指導の現場で、定性的で感覚だけを頼りにした表現が支配的になっており、そのような表現には科学的な裏付けがないという点を挙げた。

KDDI ライフデザイン事業本部 ライフデザイン事業企画本部 ビジネス統括部 繁田光平部長
KDDI ライフデザイン事業本部 ライフデザイン事業企画本部 ビジネス統括部 繁田光平部長

 野球を例に挙げれば「あのピッチャーはノビがある球を投げる」「あのピッチャーの球は重い」「キレのある球」という言葉をプロ野球中継の解説者が口にするのを聞いたことがある人も多いだろう。しかし、「ノビ」「重さ」「キレ」が具体的に何を指すのかが理解できず、スッキリしない気持ちでいる人も少なくないはずだ。このような表現がアマチュア野球の現場でも横行しており、指導を受けた選手が何をどうすればよいのか分からず困惑することがあるという。

 繁田氏は、選手の力をさらに伸ばすには、球速や回転数、回転軸の方向など、明確な数値を示して、指導者だけでなく選手も自ら考える環境が必要だと指摘した。例えば先に挙げた「ノビ」のある球は、ピッチャーの投球の「回転数」が影響する。球の進行方向に対して反対方向の回転(バックスピン)を強くかけて、より多く回転させることで打者は「ノビがある」と感じる。このとき、回転の角度は地面に対して垂直に近いことが望ましい。

 投手が投げる速球は、キャッチャーミットに向かって直進しているように見えるが、実際は重力の影響を受けて落ちながらキャッチャーミットに向かっている。回転数が多いノビのある球は、一般的な速球に比べるとキャッチャーミットに届くまでにあまり落ちない。そのため、一般的な速球に目が慣れている打者は「ノビがある」「浮き上がるようだ」と感じる。ノビがある球を投げる投手の代表としては、昨年夏の全国高等学校野球選手権大会で注目を集めた吉田輝星投手(秋田県立金足農業高等学校、現北海道日本ハムファイターズ)が挙げられる。

 「ノビ」という言葉についてはかなり解明が進んでおり、このように数値を説明して大まかな説明ができるが、「キレ」や「重さ」という言葉については、野球関係者の間でも見解が分かれ、現時点では数値を使った説明も難しいという状態だ。これでは「もっと重い球を投げろ」と言われても選手はどうすることもできず困ってしまうだけだ。

 アクロディアとKDDIは、専用球から集めたデータを分析することで、「重さ」などの定性的な言葉を数値で表現することに挑む。サービス開始当初はセンサーデータのみを集めるが、いずれ投球時の動画データもユーザーにアップロードしてもらい、蓄積した動画データも合わせて分析し、数値的表現の実現に活用するとしている。動画データを活用して、故障しにくいフォームの提案するなども検討している。

AIで、最適な指導者を探し出して、利用者と結びつける
AIで、最適な指導者を探し出して、利用者と結びつける

 さらに、プロやアマチュアの膨大なデータをAI(人工知能)で解析し、利用者に自動的にアドバイスすることや、AIが全国にいる指導者の中から最適な人物を抽出し、利用者と結びつけることも視野に入れているという。

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