Instagramは6月7日、6月8〜9日に開催されたショッピング機能をテーマにした期間限定イベント「Insta Shopping Weekend」の開催に先駆けて、パートナーおよびプレス向けのイベントを開催し、Instagramのショッピング機能の最新動向について説明した。
Insta Shopping Weekendは、日本におけるショッピング機能の提供を開始してから1周年を記念して開催するイベント。プレスイベントの冒頭に登場したフェイスブック ジャパン代表取締役の長谷川晋氏は、この1年間を振り返りながら「ショッピング機能をたくさんのユーザーに使ってもらって手ごたえを感じている」と語った。
さらに、Instagramの国内の月間アクティブアカウント数が3月時点で3300万を突破したことを発表し、「日本においてInstagramのコミュニティが拡大している。それに合わせてショッピングを含めたInstagramの機能を拡大・拡充することで、日本でビジネスをするユーザーの売り上げや利益を伸ばし、ブランドを構築するお手伝いができると考えている」とアピールした。
続いて、フェイスブック ジャパン クライアントソリューションズマネージャー リードの丸山祐子氏が、Instagramのショッピング機能の最新動向を説明した。
Instagramのショッピング機能は、Instagram上の投稿で興味がある商品を発見した利用者に、購入の検討から購入に至るまで、購買行動の導線を提供するもの。投稿されている商品に、価格などの詳細情報を記載したショッピングタグを表示し、利用者がタグをタップするとInstagramアプリ内で詳細を閲覧できる。購入したい場合は、商品を販売している外部のECサイトに遷移して購入できる仕組みだ。
サービス開始時は画像にタグ付けするだけだったが、現在は様々なフォーマットに対応し、全画面表示されるストーリーズ投稿や動画投稿でショッピング機能が利用できるようになった。そのほかに、ショッピング機能が付いている投稿がまとめて表示される機能、ビジネスのプロファイルページでタグが表示され、ショッピングできる機能を実装した。
これらの機能拡充により、「今までInstagramは発見のメディアで、投稿を見ることで新しい商品を知ったが、発見するだけでなく検索し購入するかを決めるという検討段階にも使われている」と、丸山氏はInstagramが購買活動におけるプラットフォームとしての役割が変わったことを指摘した。
また今後発表される新たな機能として、Instagram内で決済まで完了できる「チェックアウト機能」と、クリエーター(インフルエンサー)の投稿にショッピング機能を追加する機能を紹介。ただし、これらは現在米国の一部で提供されている段階であり、日本でのサービス開始時期は未定としている。
後半ではショッピング機能のユーザーが登場。まず、BASEの執行役員 BASEプロダクトマネージャーの神宮司誠仁氏が、ショッピング機能活用の効果を紹介した。同社は、ネットショップ作成サービス「BASE」を運営しており、BASEユーザー向けにInstagram投稿に商品タグを付けられる「Instagram販売App」というアプリを提供している。これにより、ショップへのInstagramからの流入数は2017年1月から8.8倍に伸び、販売Appを利用しているショップユーザーは、およそ1年で決済数が2.7倍に伸びたことを明らかにした。
続いて開かれたユーザーのパネルディスカッションでは、BASEの神宮司氏と、小柄女性向けファッションブランド「COHINA」を展開するnewn COHINA ディレクターの清水葵氏、ヘアケアブランド「BOTANIST」などを手掛けるI-ne ブランディング事業部 本部長の今井新氏が、ショッピング機能の活用状況や効果などについて語った。
I-neはテスト運用の段階から同機能を採用しており、「ECサイトへの流入が7倍になったことに加え、LTV(Life Time Value)が3倍になりブランドに共感してもらえた」(今井氏)といった効果があったという。
実店舗を持たないビジネスモデルのnewnは、Instagramを「お店替わり」(清水氏)に、顧客とのコミュニケーションツールとしてフル活用しており、ショッピング機能については、「他の流入経路に比べてコンバージョン率が高い。写真との相性が良く、欲しいと思ったものにすぐアクセスでき購入してもらいやすい」(同氏)と効果を語った。
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