KDDIは3月20日、保育IT事業に参入することを発表した。同社のファンド「KDDI Open Innovation Fund 3号」を通じて、保育園や幼稚園のIT化を支援するKids Diaryに出資し、スマート保育園プラットフォームを開発する。出資額は非公開。
Kids Diaryでは、電子連絡帳アプリ「Kids Diary(キッズダイアリー)」をはじめ、各種保育支援システムによって、子どもの日々の健康管理や出欠・遅刻の連絡、自宅や園での子どもの様子に関わる情報共有を効率化できるサービスを提供している。
SMSやチャットなど消費者に馴染みのある連絡手段によって、保護者と保育士間のコミュニケーションを円滑にするほか、園内の出勤システムや指導計画の一括管理などが可能になるという。
Kids DiaryのCEOであるスタンリー・ン・イエンハオ氏は、保育園向けには現状、(1)業務効率化と(2)コミュニケーション促進の2種類のサービスが存在するが、複数のサービスを導入している園に話を聞いてみると、「どの業務でどのサービスを使えばいいのか分からない」「サービス間がデータ連携されていない」「複数サービスだと導入コストが高い」といった悩みを抱えていることがわかったという。Kids Diaryはオールインワンで各種機能を提供するため、こうした悩みを解消できると説明する。
KDDI 新規事業推進部 部長の宮本美佐氏によれば、同社内のワーキングマザーからKids Diaryを教えてもらったことが、今回の出資のきっかけだったという。「ここにKDDIのアセットを生かすことで子育て支援のインフラを実現したい」と考え、提携にいたったと説明する。
自身も2人の子どもを保育園に通わせていたという宮本氏は、いまだに電話や紙などでのやりとりも多い、保育園のアナログな業務をデジタルに置き換えることで、多忙な保育士がより“保育の質”に注力できる環境を作りたいと思いを語る。
KDDIでは今後、(1)Kids Diaryの利用施設や利用者の拡大、(2)Kids Diaryの活用シーンの拡大、(3)スマート保育園プラットフォームの創出を目指す。
同社がつながりをもつ全国600以上の自治体や保育園との連携を強化し、端末や通信環境も含めたKids Diaryの導入を支援するほか、学童における「預かり延長予約」といったサービスも提供したい考えだ。将来的には、自治体、保育園、保護者それぞれの課題を解決するスマート保育園プラットフォームを構築し、監査対応支援や保育園会計などの機能を提供する予定だという。
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