ユニファは10月4日、乳児突然死症候群(SIDS)の防止に向けたチャイルドヘルスケアIoTサービス「るくみー午睡チェック」を発表した。
るくみー午睡チェックは、昼寝をする際、服に簡単に取り付けられるバッチ型のセンサを子どもに付けることで、乳幼児の体動の有無やうつ伏せ寝を検知し、タブレットに状態を通知するシステムだ。
現在、乳幼児を預かる保育園やこども園では、乳幼児突然死症候群(SIDS)を防止するため、0歳児であれば5分間隔で、保育士によるブレスチェックや仰向け寝の確認と、どんな体勢でいたかの記録を手書きでとっているという。
保育士による子どもの体勢チェック記録を従来の手書きから、タブレットの確認ボタンを押す程度に半自動化することで業務負担の軽減できるほか、うつぶせ寝を危険すると保育士にタブレットで音などのアラートで通知する。
人と機器によるダブルチェック体勢にすることで、手間を軽減し、より安心できるようにしようという試みだ。
保育施設での死亡事故の約77%は睡眠中といわれる。仰向け寝が推奨されていても、40%はうつ伏せ寝で死亡事故が発生しているというデータがあるとし、ユニファは保育中の午睡(お昼寝)安全対策強化に向けた開発に取り組んだと説明した。
2018年からの本格提供に向け、凸版印刷グループで保育業界向けに遊具や教材販売、出版、幼児教育に強いフレーベル館と業務提携し、販売促進に向けて取り組む。また、複数のベンチャーキャピタルを引受先とした第三者割当増資により、総額10.2億円を資金調達した。
フレーベル館との業務提携及び調達により、現在日本で待機児童問題と同じく課題となっている、保育士不足や保育士の若年化について、保育の質向上と保育士の業務効率化を両立する“スマート保育園構想”で課題解決を目指す。
保育園は、まだアナログな書類が多い状況にある。たとえば、スマート体温計によってそれらのデータや午睡チェックによる昼寝時のデータ、監視カメラによる園児の動きなどを「デジタル連絡帳」として詳細な活動記録にまとめることも可能だ。
さらにそれらのデータを解析し「園児見守りAI」で分析することで、さまざまな「予兆サイン」を察知し、保育中の事故や感染症の予兆を知らせたり、子どもひとりひとりの発達に合わせた保育サポートができるのではないかと説明する。
るくみー午睡チェックは、そうしたスマート保育園構想の実現に向けた第1弾だ。なお、スマート保育園構想はユニファが「第1回スタートアップワールドカップ」でグランプリ(世界一)を受賞。保育の新しい在り方を創造したいとしている。
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