Appleは、Googleの従業員用社内アプリを「iPhone」や「iPad」で一時的に使えないようにしていたが、このたび、社内アプリの使用を可能にするGoogleの証明書を再び有効にした。
「当社の社内用アプリは、現在また使用できるようになっている」と、Googleの広報担当者は声明で述べた。Googleの証明書を再び有効にしたことについてAppleにコメントを求めたが、回答を得られなかった。Bloombergが米国時間1月31日夜にこのニュースを報じた。
Googleの社内用アプリが使用できなくなった前日には、2012年にリリースされた同社の「Screenwise Meter」アプリが18歳以上のユーザーに参加を促し、Googleにユーザーデータの監視と分析を許可することと引き換えに、ギフトカードを提供していたと報じられた。
TechCrunchによると、Googleは「App Store」を回避して、Appleが社内でアプリを配布する企業向けに設計した開発者プログラムを利用したという。この報道に対して、Googleは「iOS」端末上の同アプリを無効化すると述べた。
だが、そうした動きはAppleの怒りを静めるのにほとんど効果がなかった。Appleは、利用規約に違反したとしてGoogleの証明書を無効にしたとみられる。製品のベータ版を含め、Googleが社内で従業員に配布しているアプリが使えなくなっていた。31日にこのニュースを報じたthe Vergeによると、その中には、「Googleマップ」「ハングアウト」「Gmail」の初期バージョンのほか、Googleのバス用アプリ「GBus」や社内用カフェアプリも含まれていたという。
AppleによるGoogleの社内アプリのブロックは、AppleがFacebookに対して取った措置と同様のものだ。先頃、FacebookがAppleの「Enterprise Developer Program」を利用して一般利用者にデータ収集アプリを提供したため、AppleがFacebook ResearchアプリのiPhoneユーザーへの提供をブロックしたことが報じられた。Facebookは13~35歳のユーザーに1カ月あたり最大20ドル(約2200円)を支払い、ユーザーのスマートフォンやウェブ上の活動情報に同社がアクセスできるようにしていた。Appleはその後、Facebookの社内アプリの配布禁止措置を解除している。
GoogleやFacebookのデータ収集アプリは、IT企業のプライバシー慣行への監視が強まるきっかけとなる最新の例だ。2018年、英コンサルティング会社Cambridge Analyticaが20億人以上のユーザーを擁するFacebookの数千万人分のデータを不正流用したことが明らかになり、Facebookは個人情報の保護を怠ったとして大いに非難された。同様に、GoogleもAndroid端末の位置情報の収集方法を批判された。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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