Appleは米国時間12月13日、10億ドル(約1100億円)を投じてテキサス州オースティンに新キャンパスを建設すると発表した。米国全域で事業を拡大する計画の一環となる。
声明によると、Appleは、シアトル、カリフォルニア州サンディエゴとカルバーシティにも新たなオフィスを開設し、ピッツバーグ、ニューヨーク、コロラド州ボルダーでも拡大するという。
Appleは2018年1月に、米国で新キャンパスを建設する計画を明らかにした。今後5年間で300億ドル(約3兆3000億円)を米国内で投資し、新キャンパスを建設して2万人の雇用を創出するとしていた。また、国外滞留資金を米国に戻すのに伴い、税金が380億ドル(約4兆2000億円)に上る見通しだと述べていた。5年間で米国経済への寄与は3500億ドル(約39兆円)になると試算していた。
オースティンの新キャンパスは、既存の施設から1マイル(1.6km)も離れていない。オースティンでは現在、6200人の従業員が勤務しており、オースティンの従業員数はカリフォルニア州クパチーノの本社に次ぐ規模になる。新キャンパスにはまず5000人の従業員が収容可能になり、いずれ1万5000人に増員できる規模になるという。
オースティンのキャンパスは、敷地面積が133エーカー(約54万平方メートル)となる。また、Appleのすべての施設と同様に、新キャンパスの職場の電力は、100%再生可能エネルギーで賄われる。
Appleはこの10年間で、着実に事業を成長させ、独自のオリジナルコンテンツを開発するなど、新規事業にも投資してきた。また、Apple Storeを改善したほか、自社のオフィスも刷新した。共同創業者のSteve Jobs氏が新社屋建設プロジェクトの計画を明らかにしてから6年を経て、2017年4月には新本社であるApple Parkがオープンした。
同社は、シアトル、サンディエゴ、カルバーシティでそれぞれ1000人以上を雇用する予定だ。こうした拠点が選定されたことは、Appleの事業のさまざまな側面と、人材誘致の可能性をうかがわせる。シアトルはMicrosoftとAmazonの本拠地であり、サンディエゴにはチップメーカーQualcommが本社を構える。カルバーシティは、Appleが計画しているとされるオリジナル番組に関連する可能性も考えられる。
同社は、ピッツバーグ、ニューヨーク、ボルダー、ボストン、オレゴン州ポートランドでも数百人を新たに雇用する予定だ。2018年には既に、6000人の米国人を新規に雇用している。1月に計画を発表していた通り、2023年までに米国で2万人の雇用を創出する見通しで、計画を進めているという。
Appleの売上高は、「iPhone」の販売が大部分を占める。8月には、米上場企業として初めて時価総額1兆ドルを突破したが、最近の株価はその水準よりも下落している。
11月にはAmazonが、新本社の建設地としてニューヨーク市とワシントン近郊のバージニア州アーリントンを選定したと発表し、各拠点で2万5000人以上を雇用する計画だとしていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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