Googleの従業員らは、中国市場向けの検索プロジェクト「Dragonfly」に抗議する次なる行動に出た。Dragonflyは、中国政府による検索の検閲を支援することになるおそれがあるとされる。
200人を超えるGoogleの従業員(多くがソフトウェアエンジニア)が、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルと共同で現地時間11月27日、最高経営責任者(CEO)のSundar Pichai氏にプロジェクトの中止を求める書簡を公開した。GoogleはDragonflyについてほとんど公表していないが、同プロジェクトは、検閲対応の検索エンジンを中国に提供し、ユーザーの検索内容をそれぞれの電話番号と紐づけられるようにして、中国政府がより容易に検索を追跡できるようにするものと報じられている。
「Dragonflyに反対するのは、中国とは関係ない。どこで使われる場合でも、権力を持つ者が弱者を抑圧するのを支援する技術にわれわれは反対する」と従業員らは書簡に記している。「中国にDragonflyを提供すれば、この政治的に不安定な状況で危険な先例を設けることになり、Googleは、他の国に類似の譲歩を求められた場合に拒絶しにくくなるだろう」
Googleの広報担当者はこれに対し、同プロジェクトに関する同社の以前の声明で応じた。「われわれは長年にわたり、『Android』、『Google翻訳』や『Files Go』などのモバイルアプリ、開発者用ツールの開発を通じて、中国のユーザーを支援するために投資してきた。しかし、検索に関するわれわれの取り組みは予備的なものであり、中国で検索プロジェクトをまもなく立ち上げる予定はない」
アムネスティ・インターナショナルは、サンフランシスコ、ベルリン、トロント、ロンドンなど、世界中のGoogleのオフィスの前で抗議活動も展開した。
So...we haven't quite stopped yet. Greetings from outside the @Google office in Berlin. #DropDragonfly @sundarpichai pls. thnx. ttyl. pic.twitter.com/s3lbWhIUrK
— Amnesty International (@amnesty) 2018年11月27日
「Googleの従業員に支持を呼びかけている」と、アムネスティ・インターナショナルのメンバーでサンフランシスコでの抗議活動を計画したAmy Gordon氏は、サンフランシスコのあるGoogleのオフィスの前で述べた。「Googleは、誰もが自由に情報にアクセスできるインターネットを目指すべきだとわれわれは考えている」(同氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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