中国当局が北京および上海の街中での監視用に、「歩行の特徴を認識」するソフトウェアの使用を開始したと、現地時間11月6日付のAP通信の記事が伝えている。人工知能(AI)を用い、体型と歩き方から個人を識別するという。
記事によると、この技術は最大で50m離れた場所から人を認識でき、顔が隠れていたり、カメラに背中を向けたりしていても問題ないという。このソフトウェアは、中国のテクノロジ企業Watrixが提供したとのことだ。
中国では監視体制の強化に伴い、すでに顔認識技術の活用が進んでいる。さらに2020年までには、全国民を対象に、各人の行動に基づいてスコアをつける全国的な社会信用システムを採用する計画だ。中国政府は、顔認証やAI、スマートメガネなどの技術を利用して、市民を監視、評価しており、時としてその名誉を傷つけることもある。
AP通信の報道によると、Watrixのソフトウェアは動画から人の輪郭を抽出し、人の動作を分析して歩き方の特徴を示すモデルを生成するという。ただしこの技術は、今はまだリアルタイムで人を認識することはできない。現在は動画をプログラムにアップロードする必要があり、1時間分の動画を照合するのに約10分かかると、AP通信の記事は伝えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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