運転初心者は皆、パトカーがサイレンを鳴らして、赤と青のライトを点滅させながら近づいてきたら、車を路肩に寄せて停車するよう教わるものだ。しかし自動運転車が警官に止められた場合はどうだろうか。The Washington Postが米国時間10月24日に伝えたところによると、Waymoの新しい緊急対応ガイドには、同社の自動運転式「Chrysler Pacifica Hybrid」がそういった状況ですべきことが書かれているという。
まず、Waymoは同社の自動運転車が、法律で義務付けられているように、緊急車両に自動的に道を譲るようになっていると述べている。同社によると、車両に搭載されたセンサーが緊急車両の接近だけでなく、警告灯やサイレンも検知するのだという。車両はその後、「進行方向に関係なく、必要に応じて緊急車両に道を譲るようになっている」と同社は述べている。
次に、Waymoの車両がパトカーに止められた場合は、路肩に寄って停車してから、車両の窓が開き、ロックが解除されるようになっている。Waymoによると、車両が停車している場所に人員を派遣するか、もしくは車内にある通話端末を通じて会話ができるのだという。Chrysler Pacifica Hybridのプロトタイプモデルが自動運転レベル4になっていて、車内が無人であることから、遠隔対話システムが重要になると考えられる。同じ理由から、Waymoは車検と車両保険の情報がサンバイザーに目立つように表示されると述べている。
最新の緊急対応指針はそのほかに、第一対応者が自動車事故などの重大な事態にWaymoの車両にどのように対処すべきかについても説明している。さらに興味深い指針の1つが、車両の自動運転を確実に停止する簡単な方法だ。車両のドアが開いたままの状態では自動モードで操作できないようになっているため、ドアがロックされているためまず窓を割らなければならないような場合でも、とにかくそうしてドアを開けることをWaymoは推奨している。実際のところ、車両のバッテリが遮断されるまで、第一対応者は常にドアを少なくとも1つは開けたままにしておくべきだとWaymoは述べている。
言うまでもなく、自動運転式のPacifica車は事故が発生したことを検知して停車するよう設計されている。事故が起きたり、エアバッグが作動したりした場合、車両が停車し、すぐにWaymoのサポートチームが呼ばれ、事故現場で援助するようになっている。
この指針はただの仮定の話ではない。2018年5月に、Waymoの車両が米アリゾナ州で実際に事故に遭っているからだ。同社の指針は、最悪の事態が起きたときに、乗客と第一対応者の両方の安全を確保するための努力を明らかに反映したものだと言えるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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