Waymoのアリゾナ州フェニックスにおける自動運転車のパイロットプログラムについて、これまでの多くの報道で肯定的に伝えられていたが、新たな記事では万事順調というわけではないと報じられている。
Waymoが自動運転車の車両に採用しているミニバンの「Chrysler Pacifica」は、路上で一部の運転課題に苦戦しており、周囲を走っているドライバーをうんざりさせているという。The Informationが報じた。The Informationは、Waymoのビジネスに詳しい人物や、Waymoの車両が走っている地域の住民など、多数の情報源に取材した。
The Informationの取材によると、停止標識での停止が長すぎる、流れの速い交差点での左折、ラッシュ時のハイウェイへの合流などの特定の交通状況への対処に難があるといった、ドライバーや住民らの不満の声があるという。また、停止やブレーキの操作が唐突なせいで、周囲のドライバーを惑わせ、交通の混乱を招いているという。
Waymoの広報担当者はメールの声明で次のように述べた。「完全な自動運転車を公道で多数走らせている唯一の会社として、当社の車両は継続的に学習しており、われわれは、自動運転の機能を徐々に安全に拡大していけるよう、堅実な試験プロセスを策定してきた。われわれが当社の技術を試験し展開する上で、安全性は今も最優先事項だ」。Waymoはまた、The Informationの取材に応じ、現地の住民から、同社が自動運転プラットフォームの開発を継続するのに役立つフィードバックを数多く受けていると述べた。
Waymoの車両は現在も開発中であるため(フェニックスでの取り組みはパイロットプログラムだとされている)、同社の自動運転車は慎重にプログラムされている。車両はすべての停止標識できっちり3秒間停車し、交通量が多い所で曲がる際には車間距離を広く取ることを優先するといった具合だ。
ここでは、完ぺきなドライバーと周囲に溶け込むようなドライバーとの間のバランスをとることが重要になる。
さらにWaymoは、同社のシステムが当然ながら、十分に成熟した自動機能にはなっていないことを明確にしてきた。
また、The Informationの記事では、完全に機能する自動運転プログラムが実現するにはまだ何年もかかるということをうまく示している。Waymoの最高経営責任者(CEO)であるJohn Krafcik氏も2018年に入り、自動運転車がどこにでもあるような存在になるほどに成長を遂げるまでには、想定以上に時間がかかると述べていた。
Waymoが最終的に目指すのは、完全な自動運転車を実現するプラットフォームだけではなく、同社のテクノロジを軸としたカーシェアリング環境全体を構築することだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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