Appierは8月7日、先行型マーケティングオートメーションプラットフォーム「AIQUA」の提供を開始したと発表した。
同社はAIをベースとしたマーケティングソリューションを展開する台湾のテクノロジ企業。東京を含めた12のアジア地域に計14のオフィスを設置している。Appierでは、効率よく見込み客を獲得できるプログラマティックプラットフォーム「CrossX」、オーディエンスを精査し、より深い洞察と複雑な背景を知ることができる企業向けデータサイエンスプラットフォーム「AXION」を提供している。
CrossXとAXIONの間に立ち、獲得した顧客を既存顧客にするため、オーディエンスの洞察の理解、顧客の囲い込みから効率的なエンゲージを実現するのがAIQUAとなる。
AIQUAは、タブレットやスマートフォンなど複数のデバイスをまたいだ特定ユーザーへのエンゲージと、AIを使ってターゲットオーディエンスを理解・分類し、自社のオーディエンスデータと外部のデータソースから類似のオーディエンスを探し出すことで、オーディエンス候補に先行して企業や製品などを訴求できる。このため、新規顧客であっても、長年のロイヤルカスタマーのように興味・関心に応じてベストなアクションを提供可能。
旅行サイトであれば、初めてサイトに訪問したユーザーであっても、外部のデータソースからユーザーが興味・関心を持っているエリアの情報を導きだし、それに関する旅行プランをサイト訪問時に表示することができる。
また、AIを活用し、ウェブサービスへのログインを問わず、PCやスマートフォン、タブレットなど複数のデバイスを利用している場合でも、一人のユーザーとしてエンゲージできる「クロスデバイスマッピング」を搭載。例えば、5台のデバイスを一人のユーザーが所持していた場合、通常であれば5人の異なるオーディエンスとして見えてしまうが、CrossXデータベースを使うことで、複数に見えるオーディエンスを統一。
例えば、とあるユーザーが休日に自宅でタブレットを、出勤時にスマートフォンを使用している場合、タブレットでECを閲覧(実際には購入せず)したあと、スマートフォンの方にECに関するプッシュ通知を送ることができる。ECを閲覧したデバイス、カートに入れたデバイスなどをCrossXでマッチングさせることで、タブレット側がECにログインしていない状態だったとしても、購買を促すことができるという。
AIQUAでは、オーディエンスデータを統合することで、チャネルを横断して一人の顧客としてプロフィールを一元化。自社外のデータについては、Appier独自のDMPシステムを構築しており、アジア太平洋地域の情報について多くの行動データを取得しているという。AIQUAのAIセグメンテーションは、インタレストを選択するだけでターゲットを設定可能。新しさや頻度、精度などでフィルタリングできるため、商品の特性に応じて調整できる。
また、マーケターがターゲットにする顧客それぞれに適したメッセージや画像・映像を制作できるテンプレートを用意。制作したコンテンツは、ウェブやアプリ内プッシュ通知、メール、SMS、LINEやメッセンジャーなどのメッセージアプリを通じて顧客に配信可能だ。
AppierバイスプレジデントエンタープライズAI担当のチャールズ・エン氏は、「複数のデバイスを所有するようになった今、デバイスの断片化、SNSやメールといったチャネルの多様化により顧客体験に一貫性がなくなってきている」と指摘。さらに、「初めてサイトに訪れたユーザーの3割以上が、自分に関係の無いコンテンツが表示されたことで閲覧をやめてしまう傾向にある」という。こうした課題はAIQUAにより解決できるとしている。
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