ダイキン工業と日本電気(NEC)は、2016年から取り組んでいる知的生産性を高める空気・空間を実現するための共同研究について、オフィスなどの執務空間における知的生産性向上には、空調による温度刺激が特に効果的であることを実証したと、7月26日付で発表した。さらに、眠気の兆しが見えた早期の段階で刺激を与えることが、覚醒度を保つのに効果的であることも合わせて明らかにした。
知的生産性を高めるには、眠気をおさえて覚醒度を適切に保つことが重要だと言われているなか、この実証実験では、覚醒度を適切に保つにはどのような方法やタイミングの刺激がよいかを確かめるため、定期的に被験者の覚醒度を測りながら、空調(温度)や照明(照度)、アロマ(芳香)それぞれの刺激を与え、覚醒度の変化を検証したという。
検証方法としては、環境条件を所定のタイミングで変化させたときの、被験者の覚醒度変化を確認する実証実験を実施。被験者には、4つの環境条件のなかで、眠くなりやすいタスク(2桁の加算暗算)を与え、5分毎に眠気を5段階で申告してもらうとともに、カメラにより眠気を推定した。
検証結果として、空調による温度刺激では、環境変化を与えない場合と比較して平均の覚醒度が5段階中、最大で約2段階分上昇。さらに45分以上眠気を抑制し続けることがわかったという。また、照明やアロマによる刺激では、環境変化を与えない場合と比較して、覚醒度が最大0.5段階分上昇することを確認したとしている。
そして、すでに眠い状態になってからではなく、眠気の兆しを検出した時に刺激を与えることで覚醒効果が大きくなり、その効果は温度や照度、芳香刺激など、刺激の与え方や組み合わせで高められることもわかったという。
両社は今回の検証をもとに、まぶたの開度から眠気の兆しを検知して、空調や照明を組み合わせた、刺激を与えるプロトタイプの制御システムを構築。7月よりダイキン工業(40平米)・NEC(200平米)の検証用オフィスにて、執務中の覚醒度データを取得し、空調や照明の環境制御を行うフィールド実験を開始しているとのこと。
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