6月19日〜6月25日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。Appleは2018年のiPhoneこそ、おなじみのLightning端子を搭載して登場するとみられるが、将来はこの端子すらなくなってしまうかもしれない。
Bloombergは、すでに発表済みながらも発売されていない、複数のデバイスを同時にワイヤレス充電できるマット「AirPower」に関する記事で、ワイヤレス充電に関する将来の戦略について詳しく述べた。
Appleの取り組みを紐解くと、将来、ポートやボタンといった外装のパーツのほとんどを取り除きたいと考えているようだ。特に、2017年発売のiPhone Xでは、Lightningポートを取り除き、充電もワイヤレスで実現しようと考えていたそうだ。
AppleはオリジナルのiPhoneで30-pin Dockポートを搭載していた。これは当時大ヒット商品となっていた音楽プレーヤーiPodと共通だった。これを2012年に発売したiPhone 5から、Lightningポートに変更した。
また2015年発売のiPhone 7シリーズ以降、ヘッドホンジャックの搭載を取りやめ、Lightningポートに接続する変換コネクタで有線ヘッドホンを利用するか、付属のLightning接続のEarPods、またはBluetooth接続のヘッドホンを用いる仕組みとなった。
Appleは、既存のポート類をためらいなく変更したりなくしてしまったりすることで有名だ。充電ケーブルについても、同様の措置をとる可能性がある。
Lightningポートの削減は、先週ご紹介した捜査当局などが利用する端末内の情報を取り出すツールの活用を物理的に制限する方法につながる。顧客とデバイスのプライバシーを特に重視している同社が、ポートの廃止をプライバシー上「必要な措置」と判断するのは想像に容易い。
一方で、iPhone XにLightningポートが残った理由は、ワイヤレス充電の遅さにある。iPhoneはQiという業界標準的なワイヤレス充電規格をサポートしている。規格上の最大電力は現在15Wだが、標準は5W。Appleは独自に7.5Wという速度を盛りこんだが、それでもiPadやMacBookの充電器を用いた充電速度には届かない。今後大画面モデルが主流になる中で、7.5Wの速度は不十分と言える。
また、ポートがないiPhoneにはワイヤレス充電器を付属させる必要があるが、そうなるとiPhoneの販売価格の大幅な上昇が必要となっていた。一旦iPhoneのサポートによってより高速で安価なワイヤレス充電アクセサリの普及を待たなければ、iPhoneのポート削除は現実的ではないと言える。
ちなみに、既にiPhoneからはホームボタンがなくなっているが、現在iPhoneのデバイスに残っている物理的なパーツは電源ボタン、音量ボタン(上・下)、そしてSIMスロットだ。
これらのパーツを減らすか、なくす方向に向かうとすれば、将来のiPhoneがどんなインターフェースを備えるのか、想像しやすいかもしれない。
「iPhone」、完全なワイヤレス化目指す動き?--「AirPower」は9月にリリースか(6/22)Appleは世界開発者会議WWDC 2018でiOS 12を披露し、その目玉機能として拡張現実アプリを製作するための開発者キット、ARKit 2を用意した。
会場ではARKit 2によって実現できるグループプレイに対応したシューティングアプリのデモが行われており、勝者には特別なピンバッチがプレゼントされていた。近年WWDCに参加する開発者の間では、ノベルティとしてピンバッチが配布され、他の参加者とこれを交換するのが、交流の楽しみの一つになっている。そうした中で、特別なピンバッチが流通するということで、デモの体験ながらついつい熱が入る来場者をたくさん見かけた。
ARKit 2について基調講演では「体験の共有」、すなわち1つの拡張現実空間に複数の人が参加できるようになったことを挙げた。しかしこれ以外にも、自分の絵文字をアニメーションできるMemojiの基礎となっている顔認識の向上、2D画像の認識、3D物体認識、AR空間の保存と読み出しなどをサポートした。
アップルのARが次に目指すもの--未来のヘッドセットを「iOS 12」から占う(6/20)Appleは新型MacBookシリーズのキーボードの壊れやすさとApple Storeでの修理費の高さから、ユーザーから不評を買い、集団訴訟に直面する状況となっていた。そこで、キーボードの無償修理プログラムを開始することになった。
2015年モデル以降のMacBook、2016年モデル以降のMacBook Proシリーズを使っていて、「押したキーがスムーズに跳ね返ってこない、または、キーを押した時の反応が一定しない」といった事象に悩んでいる人は、Apple Storeで無償修理を受けられるようになる。
Appleは1年前に、キーボードの反応が悪くなった際の『掃除の仕方』を用意していた。
しかしこれで改善しないことの方が多く、またApple Storeで修理する場合、キーボードユニット全体の修理が必要となるため、700ドルという高額のコストと、1週間程度コンピュータを使用できない時間が生じてしまうことになっていた。Appleはキーボードのメカニズム部分を覆って埃やゴミなどがつまらないようにする仕組みを特許として出願済みだ。将来の製品では、こうした対策が施されることになると予測できる。
アップル、一部「MacBook」「MacBook Pro」のキーボード無償修理プログラム開始(6/25)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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