Googleアシスタントは、ユーザーがGoogleマップのナビゲーションを使って運転しているときに、テキストメッセージで到着予定時刻を教えてくれるようになる。スマートフォンでGoogleアシスタントを使っているときには、リマインダや、搭乗予定のフライト情報、ToDoリストの項目などを視覚的なコンテンツで表示する。「カスタムルーティン」を設定する機能もあり、「おはよう」などのワードで実行する一連のアクションをカスタマイズできるようになる。自動的にニュースや最新の交通情報、お気に入りの音楽を流したりながら、朝の支度を始められるというわけだ。
これらの機能は実に便利である。だが、Googleアシスタントがユーザーの個人情報にどんどん詳しくなっていくということでもある。
この点は指摘しておくべきだろう。なにしろ、ユーザーのプライバシーは、テクノロジを語る上で大きなテーマとなっているからだ。シリコンバレーの大手企業が行っているデータ収集の慣行は、ここしばらく、これまで以上に厳格な審査の目にさらされている。3月に、デジタルコンサルティング企業のCambridge AnalyticaがFacebookのデータを不正流用していた疑惑が発覚して以来のことである。Cambridge Analyticaは8700万人ものFacebookユーザーの個人情報を、不正に利用していたとされている。この疑惑のために、IT企業大手がどのようにデータを保護し、利益をあげているかが問題視されている。ほとんどの場合、GoogleやFacebookをはじめとする企業は、ユーザーの嗜好、ショッピングの傾向、ライフスタイルなどについて集めた貴重な個人情報を基に、特定の広告を表示するというマーケティングを展開しているからだ。
Googleは2017年、広告売り上げで954億ドルを記録。Facebookも、2017年の売り上げ400億ドルの大半を、広告から得ている。
「われわれは、ユーザー自身が個人情報をコントロールできるようにすることを、常に大原則としてきた。その重要性が、この何週間かであらためて明白になったわけだが、当社は以前からそうしてきた。その重要性が強調されたことは、われわれにとっても健全なことである」。Fox氏はこう語っている。
Fox氏によれば、Googleアシスタントでのクエリは、通常の検索クエリと全く同じように扱われ、ユーザー設定も同じだという。つまり、検索履歴を削除することはできるが、広告の表示に影響する。
こうした全てのことが、Googleアシスタントについてわれわれが話題にする真の理由につながる。Pichai氏が2016年に指摘したように、これは、Google検索の次なる進化なのである。デスクトップを使う時間が減り、スマートフォンや、インターネット接続するスマートスピーカや自動車などに使う時間が増えたことに伴う変化だ。
「うまく作り上げることができれば、ユーザーにとっても時間の節約になり、企業にとっては膨大な価値につながる」。Pichai氏は、Google I/Oの壇上でそう語っていた。
インタビューも終わりに近くなり、Googleアシスタントが現在、Googleの最も重要なプロジェクトと思うかどうか、Fox氏に聞いてみた。
同氏は13秒考えてから、こう答えた。
「Googleアシスタントへの取り組みは、Googleの未来を握っている。正しく成し遂げることが、本当に重要だ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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