人間に近づいた「Googleアシスタント」--グーグル幹部に聞くAIの未来 - (page 2)

Richard Nieva (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2018年05月16日 07時30分

 Googleは、この自然に聞こえるGoogleアシスタントをより多くの製品(例えば、「Google Home」など)に搭載することが目標なのかどうかも明かしていない。

 この予約機能の仕組みを説明しよう。例えば、美容院の予約を取りたいとする。Google HomeからGoogleアシスタントに話しかけて、または「Android」スマートフォンや「iPhone」向けアプリからGoogleアシスタントにテキストを送信して、場所と時間を伝えるだけでいい。ユーザーが日曜日の正午を希望した場合、Googleアシスタントはその時間が埋まっている場合に備えて、予備の選択肢をユーザーに尋ねる。例えば、正午から午後2時というように、時間に幅を持たせた方が賢明な場合があることをGoogleアシスタントは理解している。

 その店舗が「OpenTable」のような自動化されたオンライン予約サービスを使っている場合、Googleアシスタントはデフォルトでそのシステムを予約に使用する。しかし、店舗がそのような自動予約を受け付けていない場合(多くの小規模店舗は受け付けていない)、Googleアシスタントがユーザーの代わりに電話をかけてくれる。Googleアシスタントはユーザーに予約確認のテキストを送信し、予約をカレンダーに追加する。

 筆者は、先述の会話とは別の、Googleアシスタントが女性の声で美容院の予約を調整する会話も聞いた。こちらの声もDuplex技術を使用し、自然な人間の声に聞こえた。一部の人のように、質問ではないときでも語尾を上げて話すという癖まであった。

 15年前からGoogleに勤務するベテラン社員のFox氏は、次のように語った。「われわれはこの技術について、『完璧なアシスタントとは何か』ということを念頭に置いている。自分が必要なときに利用できるアシスタント。いつでも助けてくれるアシスタント。『自分のアシスタントはこれをやれるだろうか』と心配する必要のないアシスタント。私のアシスタントは自分の望むあらゆることをやってくれる」

figure_3 Googleで製品管理を担当するバイスプレジデントのNick Fox氏
提供:James Martin/CNET

 Fox氏はGoogle入社後、長く検索広告に関わってきたが、今はGoogleの画期的なプロジェクトの1つで製品責任者を務めている。Googleが2016年のI/OでGoogleアシスタントを発表してから、ほぼ2年が経過した。その当時、最高経営責任者(CEO)のSundar Pichai氏は米CNETとのインタビューに応じ、自身のビジョンについて、GoogleアシスタントはGoogleの本質であり、Googleを象徴する質素なホームページ上の検索ボックスから解放された存在であると説明した。

 Pichai氏とそのチームの目標は、日々の生活の中で、GoogleのAIをユーザーの傍らで働かせることだ。現在、ユーザーはGoogleアシスタントを使って、Google Homeから朝のニュースの見出しを伝えてもらったり、スマートフォンのカメラを花に向けて種名を確認したり、帰宅時に家が快適な温度になるようにサーモスタットの温度を上げたりすることができる。

 しかし、Googleの「実験」が実用化されれば、Googleアシスタントはユーザーの真のデジタルアシスタントになるだろう。Pichai氏は2年前のインタビューの際に、「自分専用のGoogleを築き上げていくことと考えてもらってもいい」と語っていた。

 Duplexを使った会話の電話録音は確かに見事だったが、今のところは同社の言葉を信じるしかないようだ。筆者がこの技術の説明を受けた際、Duplexを使った通話を生で実演することは丁重に断られた。

 その一方で、Googleは女性と男性それぞれ1種類ずつの既存の音声に加えて、6種類の新しい声で話す、アップグレードされたGoogleアシスタントによって、より多くのユーザーを獲得しようとしている。さらに、これまでより簡単に、追加の質問を尋ねたり、「Googleマップ」を使用しているときに到着予定時刻を誰かに送信したりすることもできるようにする予定だ。

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