「ECサイトの検索は10年進化していない」--AIで商品検索を最適化する「FIND」

 小売事業者向けにAIによるユーザー体験のパーソナライズソリューションを提供するリッチレリバンスは、ECサイトにおける商品検索を、顧客の行動履歴などのデータを元にAIによって最適化する検索ソリューション「FIND」を7月にリリースすると発表した。


製品を発表するリッチレリバンスの最高技術責任者であるサラット・ジャルグラ氏

 FINDは、同社の提供するパーソナライズソリューション「Relevance Cloud」の一部となる製品。検索キーワードだけでなく、顧客の検索意図、オムニチャネルを通じて蓄積された過去の行動履歴や購買履歴などのデータ、ユーザーのコンテキスト、使用デバイスなどをAIのアルゴリズムが解析し、最も顧客のニーズに適合する商品を検索結果に表示できるという。Relevance Cloudで使用される解析アルゴリズムは150種類にのぼり、その中から顧客のプロファイルに応じて最適なアルゴリズムをAIが選択し、レコメンドすべき商品を探り出すとしている。

 また、このFINDには顧客が興味のある商品にたどり着けたかをリアルタイムに評価する「ファインダビリティ」という指標を取り入れており、顧客の検索体験が適切に提供できているかを販売者が把握できるとのこと。すでに製品は海外で2016年から展開しており、アパレルブランド「GUESS」では、検索のファインダビリティ、検索結果に対するクリック率、顧客が購買に至るまでの検索回数が大幅に改善したという。


FINDの基本機能イメージ図

アパレルブランド「GUESS」による導入効果

 リッチレリバンスの最高技術責任者であるサラット・ジャルグラ氏は、「ECサイトにおける検索テクノロジはこの10年ほとんど進化しておらず、ユーザーが行う商品検索の50%は失敗に終わっている。質の悪い検索体験は、特にモバイルにおいてはユーザーの購買行動に大きな影響を与える。自社の調査では、検索結果に満足できなかった場合70%のユーザーはサイトを離脱し、37%は二度とそのサイトを訪れない」と、製品開発の背景にあるECサイトにおける課題を提起した。

 その上で、キーワードだけでなくAIによる機械学習を取り入れたパーソナライズド検索を実現することによって、顧客と顧客の求めている商品を、検索を通じて的確に結びつけ、検索からの購買コンバージョンの獲得を効率化したい考えを示した。


ECサイトの商品検索はキーワード検索に限られている

 同社によると、Relevance Cloudはグローバルで大手企業を中心に230社570サイトに導入されており、日本国内ではティファニー、フェンディ、日本HP、アスクル、カウネットなどがウェブサイトのパーソナライズに導入。またFINDは、今後実装予定を含めてグローバルで25社が導入しているという。ジャルグラ氏はFINDの展開について「これまで培ってきたAI・機械学習によるパーソナライゼーションの知見をすべて投入した」と意気込みを語った。

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