4月17日〜4月23日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。
Appleが雑誌の購読型サービスを計画しているとBloombergが報じた。ただ、同社がデジタル雑誌購読サービスTextureを買収していることを知っていれば、さほど驚くべき展開ではない。
現在米国を中心にユーザー数を急速にのばしているApple Musicは、AppleがBeatsを買収して1年後に始まった。Beatsが展開していた音楽ストリーミングサービスを自社サービスとして作り替えて展開した経緯があり、雑誌でも同様のことが起きるのではないか、と予測できる。
Appleが買収したTextureは「雑誌のNetflix」との異名を持ち、月10ドルで200種類の雑誌を読み放題にできるサービスだ。購読料は各雑誌に分配される仕組みとなっている。
AppleはTexture買収直後に20人の削減を行った上で、残りの人員を「Apple News」チームに統合したという。今後ニュースアプリの中で有料購読による記事の閲覧が可能となることが見込まれる。
現在Appleは、2億5000万人の有料購読サービスユーザーを抱えている。この中にはApple Musicの4000万人に加え、iCloud追加ストレージ、App Store内での定期購読が含まれている。今回の雑誌の購読サービスが、有料購読サービスユーザー全体を大幅に伸ばす要素になるとは考えにくいが、Appleのプラットホームとしての競争力を高める上では重要な要素となり得る。
もちろんApple Newsとして独立して購読サービスを展開する手段もある。しかしApple Musicのオプションとして提供したり、あるいはApple Musicのサービスに含めたりするというアイデアも悪くない。すでに4000万人いるユーザーをベースに、サービスをよりアクティブに活用できるからだ。
すでにApple Musicはミュージックビデオやテレビ番組を統合しており、競合となるSpotifyに比べて、米国内での成長率を上回るようになった。より差別化を図る上では、雑誌も読める音楽購読サービスにする手もあると考える。
アップル、サブスクリプション型のニュース購読サービスを計画か(4/18)AppleはMacBook Pro 13インチ(Touch Bar非搭載モデル)のバッテリを無償交換するプログラムを開始した。Appleによると、2016年10月〜2017年10月に製造された一部の製品について、コンポーネントの故障により内蔵バッテリが膨張する可能性があるという。
Appleは、安全性に関わる問題ではないとしているが、ユーザーはウェブサイトでバッテリ交換対象かどうか確認でき、発売開始後5年間にわたり無償交換に応じてもらえる。
アップル、一部の13インチ「MacBook Pro」でバッテリ交換プログラムを開始(4/23)米国司法省は、米国大手通信キャリアのAT&TとVerizon、そしてモバイル業界団体GSM Associationに対して、「携帯電話ユーザーが通信キャリアを変更しにくくするために共謀していた」疑いがあるとして調査している。
5カ月前からその調査は始まっており、少なくとも1社のデバイスメーカーと1社の通信キャリアが正式に申し立てをした、とThe New York Timesは報じた。Bloombergは、デバイスメーカーの1社はAppleだと報じている。また筆者の予測では、通信キャリアの1社はT-Mobileではないかと考えている。
調査の焦点は、AT&TとVerizonがGSMAと共謀して、「eSIM」と呼ばれる技術の実用化を阻止しようとしたかどうかだ。eSIMが実用化されれば、携帯電話のSIMカードを物理的に差し替えなくても、無線通信キャリアをリモート操作で変更できるようになる。もしeSIMが普及しても、簡単にキャリア変更ができない仕組みを作ろうとしていたかどうかが注目されている。
Appleは米国や日本を含む世界中でその場で携帯電話通信の契約が可能なSIM、「Apple SIM」を発行し、セルラー通信対応のiPadで利用できるようにしている。またiPad ProからはApple SIMを内蔵した「eSIM」化し、SIMカードを抜き差ししなくても必要な通信サービスを契約したり、変更したりできるようにしてきた。
またApple Watchにも、複数の通信キャリアで利用できるようeSIMが搭載されており、iPhoneのWatchアプリからApple Watch向けの通信サービスを追加することができる仕組みを作り上げている。
ただし、AT&TとVerizonについては、Apple SIMの活用に制限がある。これらの携帯キャリアが販売するiPadは、購入したキャリア以外のSIMを受け付けない仕様になっているほか、一度そのキャリアで利用し始めたら、他のキャリアが利用できないようロックがかかる仕組みだ。
こうした制限が取り除かれない点が、司法省に対する申し立てにある「ユーザーが通信サービスを変更しにくくしている」という理由だ。そして、米国向けのiPadの使用を見ていくと、AT&TとVerizonがeSIMの普及に対して障害となっているようにも見える。
eSIMの本丸はスマートフォンだ。現在多くのスマートフォンは、SIMカードさえ差し替えれば世界中の通信キャリアでつながるようになってきた。しかし依然としてSIMカードの差し替えが必要であり、また差し替えてしまえば抜き取ったSIMカードの電話番号を待ち受けることはできない。
中国製のスマートフォンには複数のSIMカードを差し込める製品も存在し、複数の契約を同時に待ち受けすることもできる。ただしSIMカード2枚分のスペースを確保しなければならず、内部・外装のデザインに支障が出る。
ユーザーの利便性と、デバイスメーカーにとってのデザインやユーザビリティの面でのメリットが存在している一方で、携帯キャリアにとってはより激しい競争が起きる可能性があり、大手キャリアがこれを避ける手段を用意しようとしていたと見られている。
AT&Tとベライゾンを米当局が調査--「eSIM」めぐる共謀の疑い(4/23)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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