世界では約7人に1人が自分に障害があるとしている。先述のいくつかのアプリはそうした人々に歓迎すべき変化をもたらす。米国では、実のところこの割合はもっと高く、全人口の約20%が、自分に何らかの障害があると考えている。
企業も注目し始めている。Googleは3月、「Googleマップ」に、車椅子のアクセシビリティに対応したナビゲーション機能を追加して、ユーザーが車椅子で移動できるルートを見つけられるようにすると発表した。Googleマップの車椅子対応交通機関マップ機能はロンドンとニューヨーク、東京、メキシコシティ、ボストン、シドニーの主要6都市で利用できる。同社は、今後数カ月でさらに車椅子対応ルートを追加するとしている。
Yelpはビジネスオーナーに対して、自社のプロフィールにアクセシビリティ情報を掲載できる機能を提供している。同社によると、70万以上のビジネスオーナーが各自の施設をアクセシビリティ対応と評価しているという。
Googleマップ担当プロダクトマネージャーのRio Akasaka氏は、次のように述べている。「われわれは、当社の製品を使用する全てのユーザーの生活をより快適にしたいと考えており、それには車椅子を使用する人々も含まれる。車椅子で移動できるルートは、松葉杖を使っている人やベビーカーを押している人にも役立つ」
しかし、企業が自社の人気アプリを微調整するだけでは不十分である。AccessNowのZiv氏やAccess EarthのMcCann氏のような開発者によると、こうしたアプリに有益な情報を提供するためには、クラウドソーシングが欠かせないという。これらのプログラムで、ユーザーが自分の体験を共有できる場が提供されているのは、そのためだ。
Yelpも、ユーザーの書いたレビューのテキストに基づいて、アクセシビリティ情報を表示する機能を提供する。
Googleは「ローカルガイド」プログラムも立ち上げている。このプログラムを通して、ユーザーは地元のさまざまな場所に関して知っていることを共有できる。具体的には、さまざまな場所のアクセシビリティの水準に関する情報を送信したり、レストランや美術館、博物館、そのほかの公共スペースや地元のアトラクションなどの写真を提供したりすることが可能だ。例えば、レストランのアクセシビリティについて、より詳しい情報を求めている人は、ローカルガイドを利用して、ほかのユーザーの感想を確認することができる。
クラウドソーシングは、実際には普遍的である問題を解決するための、多面的なアプローチももたらす。
「現実的には、ありとあらゆる視点からの情報提供が必要だ。また、障害の有無に関係なく、アクセスは私たちの生活において重要な要素である、という問題意識を持ってもらうことも大切である」(Ziv氏)
Mark Bookmanさんはペンシルベニア大学の博士号候補者で、同大学キャンパスのアクセシビリティを地図に示す「Accessibility Mapping Project」というアプリを開発した。Bookmanさんによると、このアプリはキャンパスの学生たちに役立つというが、それより大きな目的もある。Bookmanさんは集めたデータを使って、大学管理者に改善を促すことを計画している。
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