Facebookは、広告収入の上に成り立っている、つまり、ユーザーを商品として扱うことによって収入を得ている企業ともいえる。そのことを強調するやり取りが、Facebookの最高経営責任者(CEO)であるMark Zuckerberg氏と、Frank Pallone下院議員(ニュージャージー州選出)との間で交わされた。
米国時間4月11日に開かれた米下院公聴会の冒頭あたりで、Pallone議員はZuckerberg氏に対し、Facebookはなぜ、データ収集を最小限とするように全ユーザーのデフォルト設定を作成しなかったのかと尋ねた。
Pallone議員は、それに尽力するかどうかを「はい」か「いいえ」で回答するようにZuckerberg氏に求めた。
「それは複雑な問題であり、一言では回答できない」とZuckerberg氏は答えた。
Zuckerberg氏が公聴会に出席したのは、Facebookの最近の過ちを謝罪し、政府による監視がほとんどない状態で何年もの間運営されてきたハイテク業界に対する(ある程度の)規制を支持することを表明するためだ。
Zuckerberg氏による証言初日の10日、公聴会の会場いっぱいに集まった上院議員らは、Facebookの業務内容、仕組み、その規制方法を理解できていないようだった。しかし、下院エネルギー・商業委員会のZuckerberg氏に対する公聴会に出席した議員らは、同社について十分に予習してきたらしく、的を絞った質問を投げかけた。
Pallone下院議員のように、デフォルトのプライバシー設定についてZuckerberg氏を厳しく問い詰める議員もいた。Anna Eshoo下院議員(カリフォルニア州選出)は、Zuckerberg氏自身のデータがCambridge Analyticaの問題の影響を受けたかと尋ねた。受けたとZuckerberg氏は答えた。Kathy Castor下院議員(フロリダ州選出)は、ユーザーがログインしているかどうか、さらにはアカウントを持っているかどうかに関わらず、そのウェブ閲覧履歴をFacebookのシステムがどの程度まで追跡しているのかについて懸念を示した。
Zuckerberg氏は、データポリシーを厳格化すること、情報流出が今後起きないようにユーザーを保護すること、同社サイト上の広告主についてより透明性を持たせることを目的とした自身の計画を説明し、時間をかけてFacebookのイメージを回復しようと試みた。ユーザーの信頼を取り戻す努力もした。
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