logo

アップル、100%クリーンエネルギーで世界43カ国の直営店やオフィスの電力調達

坂本純子 (編集部)2018年04月10日 05時22分
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Appleは4月10日、世界各地にある同社の施設が100%クリーンエネルギーで電力調達をしていると発表した。米国、英国、中国、インドを含む世界43カ国にある直営店、オフィス、データセンター、共用施設が含まれる。

 また、9社の製造パートナーがApple向けの生産を100%クリーンエネルギーで行うことを約束したと発表している。これによりクリーンエネルギーでの生産を約束したサプライヤーの数は全部で23社になるという。

 Apple CEOのティム・クック氏は、「私たちは自分たちが生まれてきた世界をさらに良いものとして次世代へ残すことに全力で取り組んでいる。何年にもわたり努力を重ね、ようやくこの意義深い数字に到達できたことを誇りに思う。私たちの製品に使われている材料、そのリサイクル方法、私たちの施設、そしてサプライヤーとの取引において可能なことの限界を今後も押し広げ、新しい創造的かつ未来志向の再生可能エネルギー源を確立するだろう。なぜなら、未来はそれに依存していることを私たちは知っているからだ」と、コメントしている。

Appleの再生可能エネルギープロジェクト

 Appleは現在、世界各地で25の再生可能エネルギープロジェクトを持っており、発電容量は計626メガワットに上るという。2017年には286メガワットの太陽光発電が稼働を開始。これは1年間の発電量としては過去最高という。さらに15のプロジェクトを建設中で、完成すると1.4ギガワットを超えるクリーンな再生可能エネルギー発電が11カ国で行われることになるという。

 2014年以降、Appleのすべてのデータセンターは100%再生可能エネルギーで電力を調達。また2011年以降、Appleのすべての再生可能エネルギープロジェクトは全世界の施設から排出される温室ガス(CO2e)の量を54%削減し、およそ210万メートルトンのCO2eが大気圏に排出されるのを防いでいるとしている。

 クパティーノにあるAppleの新しい本社Apple Parkは、北米最大のLEEDプラチナ認証取得オフィスビルだ。屋上太陽光パネル設備やバイオガス燃料電池を含む複数のエネルギー源から100%再生可能エネルギーで電力を調達し、電池貯蔵を持つマイクログリッドで制御。人が少ない期間などは余ったクリーンエネルギーを公共のグリッドに返しているという。


クパティーノにあるAppleの新しい本社Apple Parkは、100%再生可能エネルギーで電力を調達している

 また、中国の6つの省では、485メガワットを超える風力および太陽光プロジェクトが開発されている。製造業の上流工程からの排出問題に対処するためのもの。

 Appleは2017年8月、アイオワ州ウォーキーに40万平方フィートの最先端のデータセンターを建てる計画を発表した。2020年に稼働を開始する予定で、1日目から100%再生可能エネルギーで稼働するという。

 オレゴン州プラインビルで、Appleはオレゴン州の風力発電基地、モンタギューウィンドパワープロジェクトとの間で200メガワットの電力購入契約を結んだ。2019年末までに稼働が開始される予定だ。ネバダ州リノでは、地元の電力会社NV Energyとの間でパートナーシップを締結し、過去4年間で4つの新プロジェクトを開発。太陽光発電量は合計320メガワットになる。

 さらに日本では、Appleは地元の太陽光発電会社、第二電力とパートナーシップを組み、300基以上の屋上太陽光発電システムを設置する計画だ。毎年発電される1万8000メガワットアワーのクリーンエネルギーは3000戸以上の日本家屋に電力を供給できる量としている。

 ノースカロライナ州メイデンにあるAppleのデータセンターは、年間2億4400万キロワットアワーの再生可能エネルギーを発電するプロジェクトによって支えられている。これはノースカロライナ州の1万7906戸の家庭で使われるエネルギーに相当するという。

 土地が限られているシンガポールでは、Appleは800カ所の屋上に再生可能エネルギー設備を設置。Appleは現在、デンマークに2つの新しいデータセンターを建設中で、共に1日目から100%再生可能エネルギーで稼働するとしている。

新規サプライヤー9社を含む23社が100%再生可能エネルギーへ

 Appleは、新規サプライヤー9社を含むサプライヤー23社が100%再生可能エネルギーで稼働することを約束したことを発表した。サプライヤープロジェクトからのクリーンエネルギーを合わせると、2017年には150万メートルトン以上の温室ガスの排出を防いだことになり、30万台以上のクルマを路上から取り除くのと同じ効果があるという。

 さらに、85社以上のサプライヤーがAppleのクリーンエネルギーポータルに登録。これは世界各地のサプライヤーがそれぞれの地域で商業的に実現可能な再生可能エネルギーソリューションを探すのをAppleが手伝うためのオンラインプラットフォームだ。

 100%再生可能エネルギー化に向けた取り組みに参加する新規サプライヤーは以下の通り。

  • 高性能バイオベースポリマーのデザイナーであり、フランス、米国そして中国の同社工場でApple向けの製造を行うArkema。
  • オランダ、台湾、中国でポリマーやコンパウンドを製造するDSM Engineering Plastics。同社の製品はコネクヤやケーブルをはじめ、多くのApple製品に使われている。
  • Apple向けの生産で100%クリーンエネルギー化を約束した初めてのソフトグッズサプライヤー、ECCO Leather。ECCOがApple向けに生産するレザーは欧州産、なめしとカッティングはオランダと中国の工場。
  • 光通信用部品および垂直共振器面発光レーザ(VCSELs)を製造する、業界をリードするメーカーであるFinisar。同社の技術は、Face ID、ポートレートモードセルフィー、アニ文字など人気の高い新機能を支える。
  • Apple製品のアクセサリのサプライヤーであるLuxshare-ICT。Luxshare-ICTのApple向け生産施設はそのほとんどが中国東部にある。
  • 中国上海と崑山の2つの工場でiPhoneを含む複数の製品の組み立てを行うPegatron。
  • 数々のAppleの製品に使われている磁石および磁気部品のサプライヤー、Quadrant。
  • Apple向けの生産で100%再生可能エネルギー化を約束した最初のMacサプライヤーの一つ、Quanta Computer。
  • 日本でプリント基板用のソルダーマスクを製造する太陽インキ製造。

 なお2017年3月には、iPhone/iPadなどの部品を提供する日本企業のイビデンが、Apple向けの生産を100%再生可能エネルギーで行うことを約束する初の日本企業になったことを発表している。


イビデンは、水上太陽光発電システムを活用して製造に使う電力の100%を賄っている

-PR-企画特集