フィットネスクラブに通ったことがある人なら、運動をもっと簡単にスマホに記録できたらいいのに──と感じたことがあるだろう。Appleが2017年6月のApple 世界開発者会議(WWDC)で発表した「Apple GymKit」はまさにそれを実現するものだ。
Apple GymKitは、フィットネスマシンとApple Watchをタップ1つで簡単に直接ペアリングできるテクノロジで、トレッドミル、クロストレーナー、インドアバイクなどで運動したカロリー、距離、速度、登った階数、傾斜、ペースなどのデータを簡単かつ正確にiPhoneに記録できる。
Apple Watchとフィットネスマシンの間はシームレスにデータを同期するため、自分の身長や体重などをマシンに入力する必要がない。さらに心拍も、マシンのバーを握ることなくApple Watchのデータがマシンに表示されるのだ。
さらには、ちょっと足に違和感を感じてマシンを一時停止した、というときにはApple Watchの測定も自動的に一時停止する。再開すれば、自動的にApple Watchも測定が再開される。いちいちApple Watchを操作する手間がかからない上に、手で操作するよりも正確なデータを取得できる。
もしうっかり最初にApple Watchとマシンの連携し忘れてしまった場合でも、途中から連携させればきちんとスタート時からのデータを確保できる。
ジムに通っているApple Watchユーザーなら、うっかりワークアウト測定を止め忘れてしまった、あるいはスタートボタンを押し忘れてしまったという経験があるのではないだろうか。実のところ、筆者はある。せっかくの運動も正確に記録できないと、ひどくがっくりした気分になるものだが、Apple GymKitに対応したフィットネスマシンなら、そうした心配もなくなる。このマシンが、オーストラリア、米国、ヨーロッパ、中国、香港に続き日本でも登場した。
24時間営業のフィットネスクラブ「ANYTIME FITNESS(エニタイムフィットネス)」は3月15日、日本で初めてApple GymKit対応の設備を導入するフィットネスブランドになったと発表した。現時点では、ANYTIME FITNESS恵比寿店のみだが、順次対応機器を導入していくとのこと。
ANYTIME FITNESSが採用しているのは、Life Fitnessのマシンだ。Life Fitnessのマシンではトレッドミル、エリプティカル、インドアバイクやステッパーがGymKitが対応する。なお、GymKitは、Life Fitness以外にもTechnogymに対応するなど、世界市場の80%のマシンをカバーしているマシンメーカーとのパートナーシップを発表しており、今後さらに導入するジムも増えることになると見込まれる。
日本でANYTIME FITNESSを運営するFast Fitness Japan 代表取締役社長COOの土屋敦之氏は、「24時間いつでも、世界中のどこのANYTIME FITNESS ロケーションでも利用できる、24時間いつでもに加えて、どこでも安心、安全、快適なフィットネスの環境を提供することを目指している。GymKitの導入は快適さをさらに高め、会員にとって、トレーニングを行う上での有効性と効率性を同時に高めてくれる画期的なイノベーションであると捉えると同時に、私たちエニタイムが掲げるヘルシアプレイスという価値も高めてくれるものと期待している」とコメントしている。
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