拡張現実(AR)と仮想現実(VR)は大きく騒がれていたが、実際にはそれほど普及は進んでいない。ARとVRが極めてクールなテクノロジであるということに疑いの余地はなく、スマートフォン業界関係者の多くは、これが次のアップグレードの波を生み出してくれると期待していたが(おそらく、MWCでも素晴らしいアプリが展示されるはずだ)、筆者はそれが現実になる可能性は低いとみている。実用的な用途もあるものの、依然として極めて限定的だ。リビングルームでバーチャルなソファを動かす必要性が実際に生じることなど、何度あるだろうか。
短期的に見て、消費者のスマートフォンに対する興奮を再び呼び起こすことのできる唯一の技術革新は、おそらく、黒い長方形から若干丸みを帯びたモデルへと、徐々に形をシフトしていくことではないかと思う。折りたたみ可能な画面への移行が進む可能性もある。サムスンは折りたたみ式スマートフォンの発売に向けて取り組んでいる。それにより、従来のものよりはるかに大型のスクリーンをこれまでと同じフォームファクタに搭載できる可能性もある。それは、近いうちにスマートフォンで採用される最も刺激的な技術革新になるかもしれない。
5Gに関しては、ダウンロードの高速化が最も注目されているが、それ以外の要素もある。スマートフォンメーカーは5G(実際の登場時期がいつになるにせよ)をアップグレードすべき重要な理由として位置付けることができるだろうか。ほとんどのユーザーにとって、それはまだ数年先の話だが、スマートフォンメーカー各社は準備を進めるだろう。1本の映画をほんの数秒でダウンロード可能になることが約束されているが、現時点で普通のユーザーがこの技術に期待を寄せているとは言い難い。
スマートウォッチは長い間、必要不可欠なコンパニオンデバイスとして宣伝されてきたが、これまでのところ、関心は控えめである(バッテリ持続時間が非常に短いこととデザインがその大きな理由だろう)。それでも、センサを人体にできるだけ近づけて、ヘルスケア用途に役立てる手段として最も優れているのは、スマートウォッチだ。これは家電製品メーカーとヘルスケア業界の両方にとって、特に高齢化と病気の問題を抱える国々で、巨大な分野になる可能性を秘めている。従って、消費者の関心がそれほど高まっていないとはいえ、テクノロジ業界の巨大企業が近い将来、スマートウォッチに見切りを付けると考えてはいけない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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