2月6日〜2月12日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。
Appleは2月6日に米国、英国、オーストラリアで新製品「HomePod」を発売した。HomePodのユーザーターゲットは、Apple自らが絞っている。すなわち、iOS 11.2.5を動作するiPhoneやiPadなどを所有し、そしてApple Musicの会員であることが条件だ。
裏を返せば、ユーザーターゲットの分母は、iOS 11.2.5ユーザーよりも人数が少ないApple Music会員ということになる。そのApple Musicの現状について、The Wall Street Journalが伝えている。
これによると、現在の会員数は3600万人で、毎月5%の成長を続けているという。決算発表でAppleは、サービス部門全体のサービス契約者数を2億4000万人と発表していた。つまり会員数の15%がApple Musicからもたらされていることになる。
世界最大勢力となる音楽ストリーミングサービスSpotifyは2018年に米国株式市場への上場を目指している。その米国市場での成長率は2%であることから、Apple Musicは夏頃にSpotifyを追い越し、米国最大の音楽ストリーミングサービスとなる見込みだ。
もちろん、音楽市場は米国だけではなく、欧州市場、アジア市場のユーザー獲得にも力を入れていかなければならない。それでも米国最大のサービスとなることは、レコード会社との交渉やアーティスト獲得の面でより優位に立つことは間違いないだろう。
そして、Apple Musicの成長は、発売したばかりのHomePodの伸びしろを拡げることになる。
Apple WatchはiPhoneと組み合わせるスマートウォッチとして成功しているが、HomePodはより複雑だ。Apple MusicはAndroid向けにもアプリが提供されているが、実質的にはiPhoneユーザーのためのサービスと位置づけて良いだろう。
つまり「iPhoneのための音楽サービスApple Musicの、ユーザーのためのスピーカー」がHomePodなのだ。この複雑なマーケティングの構造が上手くいくのかどうか。Appleのエコシステムと顧客満足度、ロイヤリティが図られることになる。
「Apple Music」、米国での有料会員数でSpotifyを年内に抜く見込み(2/5) アップルによるShazam買収、EUが調査--競争への影響を懸念(2/7)Appleは2018年にも発表するとみられるiOS 12について、新機能ではなくソフトウェアの品質により注力する方針が伝わってきた。
iOS 11における様々な問題、すなわち通知のバグや、バッテリの状況に応じたパフォーマンス制御など、ソフトウェアに起因するユーザー体験への影響が発生していた。
AppleはiOS 11.3で、新たなアニ文字や医療情報の保存機能など、iPhoneに対してさまざまな機能を付加するとともに、問題になったバッテリ問題への対処を盛りこむこととなった。
ユーザーの満足度やロイヤリティは、ハードウェア以上のソフトウェアによって左右する傾向が強まったことも、Appleが確実なユーザー体験を作り出すiOSを打ち出す流れを作ったと考えられる。
その一方で、iPadとMacのアプリの融合、Siriの更なる機能の充実など、取り組むべき課題も多数あり、6月の開発者会議でどのような発表になるのか注目される。
そんな中、Appleの3年前のOSであるiOS 9のソースコードが、GitHub上に流出した。Appleは同社のセキュリティについて、ソースコードの機密性には依存しないとしてその影響について否定的な見方を示しており、実際にiOS 9を含むiOS 10以前のソフトウェアで動作しているデバイスは全体の7%だ。
それでも、セキュリティ企業は、「新たなが脱獄やAppleのプロセスを回避する可能性など、様々なことが起きうる」と指摘し、影響について懸念される。
「iOS 9」のソースコードが流出--アップルはセキュリティへの影響を否定(2/9) アップル、「iOS 11.3」第2ベータ版をリリース--バッテリの管理機能を追加(2/7)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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