オーストラリアのサウスオーストラリア州政府は、同州内にある住宅5万戸を対象として、太陽光発電システムと電気自動車(EV)メーカーTesla(テスラ)製の家庭用蓄電システムなどを無償で提供すると発表した。この取り組みにより、総発電容量250MW/650MWhの「世界最大の仮想発電所」が誕生するとしている。
設置するシステムは、発電能力5kWのソーラー発電システム、容量5kW/13.5kWhの「Tesla Powerwall 2」バッテリシステム、スマートメータで構成される。各住宅のシステムは連携するようになっており、余剰電力の売電機能も備える。家庭への設置に必要な費用は、売電による利益で回収する計画。
まず、試験的に1100戸へ設置し、第2段階で新たに2万4000戸へ設置する。その後も段階的に対象を拡大し、4年後に5万戸への設置を目指す。
予定通り設置できた場合の総発電容量は250MW/650MWh。これは約7万5000戸分の電力に相当し、サウスオーストラリア州で消費される1日分の電力の約20%を賄えるという。この容量は、Teslaがサウスオーストラリア州に建設した世界最大という蓄電施設「Tesla Powerpack」の100MW/129MWhを大きく上回る規模だ。
サウスオーストラリア州政府は、この計画に参加する家庭の電力を30%安くできると見込む。さらに、電力網の電力安定供給にも貢献できるという。
なお、Teslaの最高経営責任者(CEO)はElon Musk氏。同氏が同じくCEOを務めるロケット企業SpaceXは、火星向け新型ロケット「Falcon Heavy」の打ち上げを成功させた。火星へ届けるこのロケットのペイロードにはTesla製EV「Tesla Roadster」が搭載され、その運転席には宇宙服を着せられた人形「スターマン」が座らされている。
Tesla Roadsterを載せたFalcon Heavy打ち上げのようすCNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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