米連邦航空局(FAA)は、ハリケーン「マリア」に被災した米国自治領プエルトリコで無線通信サービスを提供するため、ドローンによる空飛ぶ基地局「Flying COW」の飛行許可をAT&Tに与えた。
Flying COWは、ヘリコプター型の無人飛行機(UAV)「Pulse Vapor 55」をベースにAT&Tが開発した空中基地局。LTE対応のアンテナと通信機を搭載し、地上の管理デバイスおよび電源システムとケーブルで接続される。上空200フィート(約61m)で滞空し、周囲40平方マイル(約104平方km)のエリアに音声、データ通信、インターネット接続サービスを提供できるという。
FAAは、運用可能な小型ドローンの最大重量として55ポンド(約25kg)という制限を設けている。Flying COWはこれより重いため、緊急対応という例外的理由でFAAに許可を求めていた。
なお、Googleの親会社Alphabetも非常用の通信サービスを提供する目的で、気球タイプの空中基地局「Project Loon」をプエルトリコに配備している。
こうしたドローンや気球を利用する基地局は、被災地のほか一時的に利用者が集中するイベント会場で有用なことから、Sprint、KDDI、NTTドコモ、ソフトバンクモバイルなども技術検証に取り組んでいる。
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