Appleは9月12日に発表したiPhone Xを11月3日に発売する。AppleよりiPhone X シルバー256Gバイトモデルの貸出を受けて、1週間のレビューをした。
iPhone XはAppleのこれまでの10年の歴史を踏襲しながら、新たな10年に向けて作られた、Appleにとって、そしてiPhoneユーザーにとって重要な意味を持つ未来のスマートフォン体験が凝縮された1台だ。
初代iPhoneは、小さなディスプレイと物理的なキーボードが主流だった時代に、3.5インチのディスプレイとマルチタッチを備えて登場し、その後のスマートフォンのスタンダードを作り上げた製品だった。
今回のiPhone Xは、初代iPhoneに採用されてきたホームボタンを廃止し、「全面ディスプレイ」を他の製品以上に忠実に実現するよう努めてきたのだ。その結果、iPhoneとしては最も大きい5.8インチのディスプレイを搭載しながら、既存の5.5インチのiPhoneよりも小さなサイズを実現する、絶妙なサイズを実現した。
筆者はiPhone 6シリーズでは5.5インチモデルを利用してきたが、iPhone 7からは4.7インチのiPhoneを選んできた。本体のコンパクトさを優先したからだ。今回は、4.7インチのiPhoneからの乗り換え、という視点で、iPhone Xに迫ってみたい。
iPhone Xには5.8インチの「Super Retinaディスプレイ」が搭載されている。このサイズはiPhone史上最大となり、またiPhone初の有機ELディスプレイとなる。
そのディスプレイを、端末前面の隅々まで敷き詰めたデザインは、これまで用いられてきた有機ELディスプレイを採用したスマートフォン以上の精巧さを感じる。
Appleはこのデザインを実現するため、単にディスプレイを大きくするだけでなく、できるだけデバイスを小さく、またディスプレイとデザインをマッチさせる努力をハードウェアとソフトウェアの両面から行った。具体的には、有機ELディスプレイを端末内部で折り曲げて端子を裏側に潜り込ませ、ディスプレイの角を端末に合わせて丸くするためにソフトウェアを制御するといったことが行われている。
iPhone Xのサイズは、高さ143.6 mm × 幅70.9 mm、厚さ7.7 mm、174g。iPhone 8より高さが5.2mm、幅が3.6mm大きくなっている。一方でiPhone 8 Plusと比べると、それぞれ14.8mm、7.2mmの差があり、どちらかといえば「iPhone 8寄り」のモデルであることがわかる。
実際にiPhone 7やiPhone 8に純正のシリコンケースを装着した状態が、iPhone Xのケースをしていない状態の握り心地に近い。iPhone 8 Plusのケースを外しても、iPhone 8とのサイズの差は明確に存在することから、 その面でも、4.7インチのiPhoneの延長線上に、iPhone Xが存在していることがわかる。
ちなみに、iOS 11の内部的にも、4.7インチディスプレイモデルの延長として扱われている点がある。iPhone 8 Plusなどの5.5インチモデルでは、メッセージや設定、メモなどのアプリで端末を横長に構えると、左にリスト、右にコンテンツ、という画面構成が現れる。大画面を生かして、より効率的な活用ができる工夫だ。
しかし、iPhone Xではそれが現れないことから、iPhoneのラインアップの中で、iPhone Xは「大画面」のPlusモデルではない扱いであることが分かる。これは、iPhone Xの派生モデルとして、さらなる大画面モデルが現れることを示唆する。
iPhone Xは、iPhone 7よりも36g、iPhone 8よりも26g重たい。これは、4.7インチモデルを使っていたユーザーからすると、ずしりと重さを感じることになる。握り心地に関連する幅がそこまで大きく変わらないことから、重さがより際立つのだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」