Twitterアカウントなしでも動画プロモーションできる広告新機能 - (page 2)

循環型の需要を目指す「インストリーム動画広告」

 例えばTwitterに動画広告を出稿する場合、クライアントはTwitterアカウントや動画ファイルを用意し、利用者から反応があればツイートを返すなど、「『Twitterへの出稿は大変』というイメージをお持ちの広告主が多い」(犬飼氏)という。これらの課題を解決するインストリーム動画広告は、「簡単」「ハイクオリティ」「ブランドセーフ」の3つを兼ね備えたソリューションとなる。

 同サービスでは、広告主はTVCM素材やネット用動画広告をそのまま転用するだけで、Twitterのコンテンツパートナーが提供する動画コンテンツの冒頭に広告動画を挿入。ユーザー側は一定秒間のCM視聴後に本編を楽しむ仕組みだ。一見すると相反する動画広告と本編動画コンテンツが組み合ってしまう印象を受けるが、「どのコンテンツに挿入するかは自動調整」(犬飼氏)するほか、取捨選択も可能だという。

 具体的にTwitter Japanは本編動画コンテンツに対して15種類のカテゴリを設け、広告動画と本編動画コンテンツのマッチングに食い違いが生まれないような仕組みを導入する。

 先行してインストリーム動画広告を実践しているグローバルでは、NBAやFOXなど200を超えるコンテンツパートナーと契約しているが、Twitter Japanでは、Bloomberg JapanやTastemade Japanなど20社とローンチコンテンツパートナーとして契約。まずは、国内で需要が高いと思われるニュース・スポーツ・エンターテインメント・ライフスタイルの4分野で、インストリーム動画広告を提供するという。

 なお、インストリーム動画広告は2種類のラインナップを設けており、各コンテンツパートナーの動画コンテンツ先頭にバンパー広告(動画再生前に表示される6秒間スキップできない動画広告)を挿入するものと、コンテンツパートナーを特定して動画各所に広告動画を挿入する「インストリーム動画スポンサーシップ」を用意する。


今回提供する「インストリーム動画広告」とTV CMの"一社提供"に相当する「インストリーム動画広告スポンサーシップ」

 では、Twitter利用者側には、どのような変化が生じるのだろうか。インストリーム動画広告のコンテンツパートナーアカウントをフォローしていた場合、同社のオーガニックツイート(通常のツイート)に含まれる動画コンテンツや、プロモツイート(広告主が有料配信するツイート)としてコンテンツパートナーの動画コンテンツが配信される際に、バンパー広告が挿入される。

 バンパー広告は多くの動画プラットフォームでも採用しているが、インストリーム動画広告では最大140秒まで対応するという。だが、5秒を超えた時点でスキップボタンが現れるため、「6秒動画がフィットするのは間違いない」(犬飼氏)。Twitter Japanは、動画広告に積極的でなかったナショナルクライアントをターゲットに、企業のブランド構築などTVCMに近い広告展開が可能だと説明する。

 だが、Twitter利用者側に立てば、動画広告に嫌悪感を覚える可能性も拭い切れない。この点について犬飼氏は、「タイムラインに広告が出現する量は調整しているため、(本サービス開始後)広告量がにわかに増えることはない」という。具体的なロジックは説明されなかったが、アルゴリズムを用いて最適化し、広告動画を視聴しない利用者に対しては、配信を抑止するように調整される。あくまでも利用者の心証を損ねない工夫を凝らしているようだ。

 また、動画広告と動画コンテンツのマッチングにも配慮している。例えばコンテンツカテゴリの1つである「フード&ドリンク」に含まれる動画コンテンツに対しては、清涼飲料水の動画広告を挿入するが、ビジネス&経済ニュースに対して挿入することはない。このあたりは広告主が取捨選択でき、特定のコンテンツカテゴリだけ避ける、もしくは任意のコンテンツパートナーには広告動画を出さないといった設定も可能だ。

 インストリーム動画広告は、このような仕組みのためコンテンツパートナー数が鍵となる。Twitter Japanとしては重要性を認識しつつ、利用者の反応を見ながら腰を落として取り組みたいと語る。

Twitterのアカウント凍結については「グローバルで一番重要な問題」

 さて、Twitterといえば、昨今はアカウントBAN問題など物議を醸しているが、その点については、「2017年1月から安全性を高めるための工程を加速させることに注力してきた。問題点をより深く理解するために研究を重ね、攻撃用アカウント作成の抑止や、技術的に攻撃的ツイートを削減するなど、アプリケーションや社内システムに改善を加えている」(Twitter Japan広報)という。

 その結果、攻撃的なアカウントへの対処数は1年前と比べて10倍以上に増加し、制限アカウントからの攻撃行為に関する報告は25%減少、制限アカウントの65%は制限を受けた回数が1度に減ったという。そして、さらなる環境改善を可能にするため、通知フィルタやキーワードによってツイートをミュートするコントロール機能提供に至っている。同社は利用者が不便に感じていることを考慮しつつ、今後も迅速な行動や変化を行うと説明した。

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