トレジャーデータは10月25日、同社のカスタマーデータプラットフォーム「TREASURE CDP」に、新たに「セグメントビルダー」「リアルタイムセグメンテーション」「コンテンツ解析」の3つの機能を追加したことを発表。あわせて、出版社やメディア向けのパッケージ「TREASURE CDP for Media」を発表した。
TREASURE CDPは、オンライン広告データやCRM領域のデータ、顧客一人ひとりの行動データや属性データなどを統合することで、顧客ごとに適切なマーケティング施策を展開できるソリューション。日本では消費財や自動車など幅広い業界の約250社に導入され、100兆件以上のデータを管理・分析できるという。
今回発表された新機能の1つ目であるセグメントビルダーは、TREASURE CDP内に蓄積されたオーディエンス、属性、行動データなどを用いて、「ある記事を読んだ人が他にどのような記事を読んでいるのか」といった顧客セグメントを作成・可視化する。作成したセグメントデータは、施策系プラットフォームや他システムとの連携が可能。
また、これまでTREASURE CDPで分析するにはSQLスキルが必要だったが、今後はウェブブラウザから項目を選ぶだけで、ノンプログラミングで分析やセグメント作成、連携が可能になるという。
2つ目のリアルタイムセグメンテーションでは、読者の閲覧ログを数秒で解析し、「過去1時間以内に5本以上の記事を読んだ人」「過去1週間以内に特定のカテゴリに3回以上アクセスした人」などのセグメント情報を即座に付与。さらに、出しわけツールによって、セグメントごとに適切なコンテンツをリアルタイムに表示する。
3つ目のコンテンツ解析は、読者の閲覧ログを解析して、アクセスした記事内で特徴的な単語(政治、化学など)を抽出。それらの単語から、読者の興味関心を自動的に分類するという。
これらの新機能にあわせて提供するTREASURE CDP for Mediaは、TREASURE CDPの豊富な機能の中から、オンラインメディアを中心とした報道機関や、大手企業のオウンドメディア向けの機能をまとめてパッケージにしたもの。読者のさまざまな情報の蓄積や分析、興味関心の理解などを促すとしている。
トレジャーデータのマーケティングディレクターである堀内健后氏は、すでにTREASURE CDPを導入している一部のメディア企業とコミュニケーションをする中で、多くのメディアが感じていることとして、いくら記事やコンテンツを作っても、Facebookやニュースアプリ経由で記事にアクセスする人が多いため、読者が固定化せず、マネタイズが難しいという課題を抱えていると説明。自社サイトにアクセスしてもらうためには、ログデータから読者ごとの嗜好を可視化して最適化する必要があると話す。
その上で、TREASURE CDP for Mediaを導入すれば、(1)読者のインサイトが理解できる(=広告レポートの質、セグメント精度が上がる)、(2)制作・レコメンド精度が上がる(=読者の回遊率や滞在時間が上がる)、(3)TREASURE CDPが提携する外部プラットフォームと連携できる(=新規の優良オーディエンスの獲得)といった効果を期待できると説明した。
なお、米トレジャーデータ 最高技術責任者(CTO)の太田一樹氏によれば、TREASURE CDP for Mediaはメディアごとのカスタマイズを前提に提供するという。基本的な機能は共通しているが、同社のソリューションアーキテクトが約4〜8週間かけて、導入企業のデータモデルの構築などを支援するとしている。
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