Huawei Technologies(ファーウェイ)は、人工知能(AI)を内蔵する「Kirin 970」チップセットを発表した。
同社が「スマートフォンの未来」と呼ぶKirin 970は、専用のニューラルプロセッシングユニット(NPU)を備える。高度な10nmプロセスで製造され、わずか1平方センチメートルの面積に55億個のトランジスタが組み込まれている。
モバイルAIコンピューティングプラットフォームのKirin 970は、8コアのCPUと12コアのGPUを内蔵する。ファーウェイによると、クアッドコアの「Cortex-A73」CPUクラスタと比べて、性能は25倍、効率は50倍向上するという。
ベンチマーク目的の画像認識テスト中に、1分あたり2000点の画像を処理したとファーウェイは述べている。
同社はすでに、Kirin 970をオープンプラットフォームとして、モバイルAI開発者とパートナーに提供している。
ファーウェイのコンシューマー事業グループで最高経営責任者(CEO)を務めるRichard Yu氏によると、同社のモバイルAIは、デバイス搭載AIとクラウドAIを組み合わせたものだという。
「ファーウェイは、チップ、デバイス、クラウドの協調的な開発を支援するエンドツーエンドの能力を構築することにより、スマートデバイスをインテリジェントデバイスに進化させる取り組みに尽力している」(Yu氏)
「究極の目標は、大幅に向上したユーザー体験を提供することだ。Kirin 970は一連の新たな進歩の一番手として、われわれのデバイスに強力なAI機能をもたらし、競合製品の先を行くことを可能にする」(Yu氏)
ファーウェイによると、クラウドAIの制約により、遅延、安定性、プライバシーの点で改善が必要だが、デバイス搭載AIはこれを提供し、製品にセンサのデータを追加するという。
「センサは、シナリオ特化型のパーソナライズされたリアルタイムのデータを大量に生み出す。強力なチップの処理能力に支えられ、デバイスはユーザーのニーズを一層認識するようになり、すぐに利用できる真にパーソナライズされたサービスを提供する」(ファーウェイ)
ハンドセット事業担当グローバルバイスプレジデントのBruce Lee氏は8月、米ZDNetの取材に応じ、ファーウェイはAIのハードウェアとソフトウェアの研究開発に注力し、デバイスとクラウドの間で機密データをやりとりせず、ハンドセット内で完結するようにすると述べた。
ファーウェイは、2016年の年次報告書でも同様に、すべてのデバイスやプロセス、人々がAIに支援される「+Intelligence」の時代を論じている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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