Appleが6月に発売したアクセサリに、レザースリーブがある。iPadを滑り込ませる形で持ち運べるレザーケースなのだが、その上部にはApple Pencil用のスペースがある。
このケースによって、Apple Pencilをどう持ち歩くか、という問題解決の1つを示したことになる。
AppleはWWDC 2017で披露したiOS 11について、iPad向け最大のリリースとうたっている。その中で、Apple Pencilが活躍する場面を大幅に増やしていた点が印象的だった。
メモやメールといったアプリでは、文字入力と手書きメモを混在できるようになり、ちょっとした図示をApple Pencilで書き込む、といったことを標準アプリの中でできるようになった。
加えてロック画面をApple Pencilでタップすると、直前に編集していたメモが開き、瞬時に書き込めるようになるインスタントノートをサポートする。このスピードは、紙とペンのそれに匹敵し、アプリの起動や書類を開くといったデジタル特有の遅さを感じさせない。
また、SafariではページをPDF化して手書きメモを加えて共有したり、スクリーンショットにも書き込む画面が用意されたりするなど、Apple Pencilがあることを前提にしてiPad Proを活用することに、iOS 11がフォーカスしていることが分かる。
ちなみに、Apple Pencilは既存の製品のままだが、もともとApple Pencilは240Hzまで対応するポテンシャルがあり、ProMotionでディスプレイが倍速化されたことでApple Pencilの反応も大幅に向上したそうだ。
筆者はiPad Pro登場以来、メインマシンであるMacBook Proとともに、「仕事の環境」としてiPad Proを導入してきた。同時に持ち出すことはほとんどなく、仕事場や取材先にiPad Proのみを持っていって、1日の仕事を済ませることもあった。
iPad Pro 9.7インチは、発表当初、6億台とも言われる5年以上経過したPCのリプレイス需要を狙う、とマーケティングのゴールが示されていた。おそらくその大部分はビジネスユースで、すぐに結果が出る話ではないが、個人的には、いくつかの工夫をすることによって、十分MacBook Proの代わりとしての役割を果たしてくれると、この2年間の経験を通じて感じている。
まず1つ目は、デスクトップと同じアプリを用意することだ。もしAppleプラットホームを活用しているのであれば、PagesやNumbers、Keynoteといった文書作成アプリは無料で手に入れられるし、ビジネスユースで一般的なMicrosoft Officeについても、Word、Excel、PowerPointが利用できる。過去のデータをそのまま利用でき、他のユーザーとのデータ共有をスムーズにできることが大切だ。
Macアプリについても、iPad向けにリリースされているアプリが多い。筆者はUlyssesやiA Writerといったエディタアプリ、Cloud Outlinerというアウトライン編集アプリなどを利用しており、これらはMacとiPadで同じ操作性、同じデータを利用できる。2点目はファイルのクラウド保存だ。
iOS 11では「ファイル」というアプリが追加され、iCloud以外のサードパーティーのクラウドストレージアプリもサポートする。作業ファイルの保存先をDropboxやOneDriveにすることで、iPadでもファイルのアクセスや共有が自在となる。 3つ目は、iPadならではのワークフローを考えることだ。
iOS 10ではすでにiPadで2つのアプリを同時に開く画面分割をサポートしているが、iOS 11では2つのアプリの組み合わせを複数保存しておける。たとえばSafariとメモで情報収集をする画面があれば、PagesとNumbersで書類をまとめる画面があり、メールとカレンダーでスケジュール調整とコミュニケーションの画面も用意できる。
このように、iPadでは2つのアプリを組み合わせて「作業」を用意できるようになり、普段の業務環境を複数残して切り替える、効率的な作業環境が実現可能だ。 前述のアプリ選びやクラウドストレージの活用とともに、自在な組み合わせによるワークフローを用意することで、iPad Proを快適な仕事マシンとして活用することができるようになるだろう。
iOS 11は、9月中旬に開催されるとみられるiPhone発表のスペシャルイベントで、正式版の配信日がアナウンスされる見込みだ。現在、登録することでパブリックベータ版を試せる。iPad Proを手に入れたら、一度試してみても良いだろう。
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