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Facebookが実現する自動車広告での「フルファネル戦略」

山川晶之 (編集部)2017年08月02日 10時00分
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 フェイスブックジャパンは8月1日、自動車業界におけるFacebook広告の現状に関する記者向けのラウンドテーブルを実施した。


フェイスブックジャパン執行役員本部長の中村穣氏

 同社では、2016年11月に国内の広告主・広告代理店150人を招待し、初の自動車に特化したイベントを開催。これまでは米国での事例がメインだったものの、イベントから数カ月が経ち、国内でも実績が出てきたことから、ラウンドテーブルを実施したとしている。

 まずは国内のスマートフォン接触に関するデータから。日本でのモバイル接触時間は、過去10年と比較して6倍に増え、今では1日の4分の1に迫る勢いに至っている。米国でもミレニアル層の消費行動が変化しており、45%がモバイルだけで商品を検索・検討するという。なお、日本で自動車を購入した人を対象に調査を実施したところ、購入者の66%がモバイルファースト層であり、72%が車購入の検討時にモバイルを使用したという。


車購入者の72%が購入検討時にスマートフォンを使用

 Facebookでは、認知、興味・関心、行動にCRMを加えた、4つの領域でプロダクトを展開している。フェイスブックジャパン執行役員本部長の中村穣氏は、これらを合わせて「フルファネル戦略」と呼んでいる。認知ステージでは動画広告がメインとなるが、中村氏によるとテレビCMとは違う作りにする必要があるという。車の広告として必要な要素は抑えつつ、縦型動画、音が出ない前提での文字入れなど、モバイルならではの動画やクリエイティブが重要になる。


“人”に関するプラットフォームだからこそ展開できるという「フルファネル・ソリューション」

 興味・関心領域は、キャンバス広告やカルーセル広告が有効だという。動画と静止画を組み合わせて、Facebook上でウェブサイトと似た体験を得ることができ、カタログのような使い方が可能になる。また、行動ステージでは、リード獲得広告が重要となる。中村氏によると、スマートフォンでのフォーム入力は、PCと比較して40%時間がかかってしまうという。Facebookでのログインを利用することで、その手間を省くことができる。

 また、位置情報を使い、近隣のディーラーに関するエリア広告を配信。ディーラーまでの道順を広告上で教えることもできるという。特定のロケーションに関する情報を受け取ると、75%のユーザーが実際にアクションを取る傾向にあると中村氏は指摘する。

 CRM面での連携は、Facebookが持つ“人”のプラットフォームを生かし、クライアントが持つデータとFacebookのデータを組み合わせ、過去に試乗したユーザー、資料請求したユーザー、買い換えの時期にあるユーザーへのダイレクトなメッセージ配信が可能。Facebookが持つデータは、ハッシュ化することで個人が特定できないようにしているという。また、ユーザーの行動パターンから、その人に似た潜在顧客を探し出すことができるという。


カスタムオーディエンスに対応

 Facebookでは、この“人”によるデータから、高い精度で広告効果を測定する「アドバンスドメジャメント」というツールを提供している。これを使えば、「スポーツカーの試乗予約をした人」と「試乗予約しなかった人」を比較でき、そのグループに属するユーザーがどういった趣向を持っているかなど把握することで、それにあわせたクリエイティブの開発が可能になるという。


「アドバンスドメジャメント」

きめ細やかなターゲティングに対応するよう1700種類の動画広告を制作

 国内だと、トヨタの「ルーミー/タンク」では、テレビCMとモバイル向けに特化した動画広告を同時配信し、どちらにインパクトがあったかを測定。すると、テレビCM素材と比較して、車種認知率で3.7倍、リーチ効率(ターゲットにしているリーチに対してどの程度カバレッジできているか)では1.5倍改善されたという。クリエイティブを変えただけではあるが、縦動画にする、字幕を入れる、音がなくても内容が伝わるように工夫されたコンテンツのほうがより再生される傾向にあるようだ。


トヨタ「ROOMY」の場合

 日産の「セレナ」では、きめ細かなターゲティングを実施し、潜在顧客にアプローチした。興味・関心、ライフスタイルに合わせ、複数のパターンを組み合わせた1700種類以上の動画広告を製作している。これにより、車種の機能認知が17ポイント上昇している。そのほかでは、スバルの安全走行システム「アイサイト」はカルーセルで展開したほか、札幌トヨペットは、「ハリアー」のリード獲得にカルーセル広告でデザインや機能を訴求。リード獲得効率は5倍向上し、コストは通常の5分の1で済んだという。


日産の「セレナ」では、1700種類の動画広告を制作し、きめ細やかにターゲティングした

MINIでは、フルファネルとして一気貫通でのFacebook広告を活用した

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