前編に続き、10.5インチ「iPad Pro」のレビューの後編をお届けする。
新しい「iPad Pro」に搭載された強化型のプロセッサA10Xは確かに速いが、例によって、登場したばかりのシステムの処理速度を確かめるには、ベンチマークを比較することになる。
やはり本当に速い。「Geekbench 4」マルチコアテストでは、iPad Proの前モデルより91%速く、2017年春にリリースされた「iPad」より117%速いという結果だった。「Core i5」搭載のMicrosoftの「Surface Pro 4」と比べても35%高速だ(新しい「Surface Pro」との比較テストは実機が手に入り次第実施する)。米CNETによるテストでは、これまでで最速の部類に入るタブレットという結果になった。
リフレッシュレートが上がったディスプレイもあわせると、全体として素晴らしい操作感だ。しかし、動力不足のエンジンという感じもする。日常的な場面で何に使えばこの性能を生かせるのか、なかなか思いつかなかった。おそらくは、「iOS 11」でさらに進化するマルチタスキング機能によって活用され、もっといろいろなことが可能になるのだろう。
筆者がiPadライフで長らく感じていて、対処が必要なはずだが、一向に改善されていない問題が1つある。初代iPad Proが登場してから約2年間、アクセサリが変わっていないということだ。iPad Proではキーボードの取り付けや「Apple Pencil」の利用が可能だが、それしかない。
iPad Proのキーボードには、いまだにトラックパッドのオプションがない。筆者は長らくトラックパッドを欲しているが、それには理由がある。編集が簡単にできないからだ。iOSでタッチスクリーンを使ったソフトウェアソリューションが発明されれば、喜んで利用するのだが、まだお目にかかったことがない(オンスクリーンキーボードだと場所をとりすぎるので、同じようにはいかない)。
iPad Proは側面に磁石式の「Smart Connector」を備えているが、それを使うのは現行のキーボードだけだ。トラックパッド付きのもっと大きなキーボードが出ないものだろうか。あるいは、SDスロット内蔵のものでもいい。そうすれば、「Lightning」ポートから飛び出す形でアダプタを付ける必要がなくなる。Smart Connectorでサポートできるなら、Appleにはここでもっと創造性を発揮してもらいたい。Smart Connectorがモジュール型のアドオンなのだとしたら、他のアイデアが出てきてもいいはずだ。
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