WWDC 2017の総括、最も重要な発表とは?--Appleニュース一気読み - (page 2)

macOS High Sierra

 Mac向けの新OS「macOS High Sierra」は、現在のmacOS Sierraに磨きをかけ、この秋に登場する予定だ。

 Apple File Systemを採用し、ファイル操作を高速化。クラッシュ保護機構が搭載され、暗号化もネイティブでサポートされる。また、写真やビデオに新しいファイル形式とコーデックを採用することで、同じ品質のファイルを半分のサイズで管理できるようになるという。

 そしてパフォーマンス。特にSafariの高速化は目を見張り、Chromeよりも80%高速にJavaScriptを処理できる、世界最速をうたう。またグラフィックスAPIの最新版「Metal 2」は、より高度なハードウェアアクセラレーションを提供し、Macの弱点だった仮想現実(VR)の編集にも対応できるようになる。

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iMac/MacBook/MacBook Proの刷新、iMac Proの紹介

 前述のmacOS Sierraの配信を前に、Appleはデスクトップ、ノートブックのMacラインアップを刷新した。全てKaby Lake世代へとCPUがアップグレードされ、AMD Radeon Pro 500シリーズのグラフィックスを搭載したiMacは、前述のmacOS High SierraのMetal 2と組み合わせて、VR編集マシンとしての活用がより手軽になった。

 また、MacBook Pro 13インチタッチバーなしモデル、iMac Retina 4Kディスプレイモデルについては、1299ドルからと価格を大幅に値下げし、米国における新学期商戦に対応する価格設定で、Microsoft SurfaceシリーズやGoogle Chormebookに対抗する姿勢を見せた。

 サプライズとなったのは、スペースグレーで固められた27インチiMac Proの登場だ。IntelのXeonプロセッサは最大18コア、グラフィックスはAMD Radeon Vegaを搭載し、最大で22テラフロップスという途方もない処理性能を備える。ディスプレイとあわせて、7000ドルにもなってしまうマシン構成を、iPad Proでは4999ドルからとコストのメリットのアピールも欠かさなかった。秋以降に販売される予定だ。

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watchOS 4

 Apple Watch向けwatchOS 4では、Siriを核とした文字盤「Siriフェイス」や、ピクサーの人気作品「トイストーリー」のキャラクターアニメの文字盤を用意し、またジムマシンと連携する機能を備えるなど、既存のApple Watchユーザーの日々の生活をさらに充実させる仕様を盛りこんだ。

 全体的なインターフェイスは、デジタルクラウンを活用する縦方向のスクロールに改められ、ワークアウトの選択やSiriフェイスでのSiriによるおすすめの情報等を、簡単にめくることができるようになった。 Siriは、使っている人の予定や運動の状況に合わせて、移動手段や所要時間、目標達成のためにおすすめのワークアウトの提案などを行うようになった。

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HomePod

 イベントの最後に発表されたのが、HomePodだ。

 7つのツイーター、4インチのウーハ、そしてA8プロセッサを備える、いかにもオーディオデバイスらしいメッシュの外装をあしらった「スピーカ」として登場した。もちろんSiriに対応し、さまざまな命令をこなすが、HomePodのタグラインは「ホームスピーカの再発明」だった。あくまでオーディオ機器としての性格をアピールすることで、Amazon EchoやGoogle Homeとの違いを見せようとしている。

 音質にもこだわっており、7つのスピーカは、部屋の音響を認識し、サラウンド、ボーカルなど、その役割に最適な配分を行ってくれる。また豊かな低音にも期待できる。前述のAIスピーカは、音楽再生機能こそ搭載されているが、ホームオーディとして満足な音質が得られるわけではなかった。

 Appleの狙いはまさにそこで、中途半端で役割をなかなか獲得できずにいるAIスピーカに対し、きちんと、ストリーミング時代のホームオーディオとしての役割を明確にすることで、349ドルという高い価格でも、販売を伸ばしていこうと考えている。

 2月に米国、英国、オーストラリアで販売される予定だが、AirPodsのように、当初は品薄になる可能性も高いだろう。

 

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