5月9日~5月15日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。
Apple Watchは、Appleの中で最も新しい製品ラインであり、同社によると「最も身近な身につけるデバイス」としている。
直近の2017年第2四半期決算では、AirPodsやBeatsヘッドフォンとともに「ウェアラブル」というまとまりで成長しているカテゴリを構成する製品とし、前年同期比で2倍以上の売上高を記録したとコメントした。しかし、具体的な販売台数や売上高については触れなかった。
Apple Watchは依然として、スマートウォッチ市場を牽引するカテゴリ第1位の存在だが、ウェアラブル市場に視点を拡げると、Fitbitがトップの座を守っている。
ウェアラブルデバイスを身につける最も大きな動機がスポーツやアクティビティの計測だ。そこに特化してさまざまなデザインをそろえ、より長いバッテリ持続時間を実現し、しかも価格を抑えたFitbitが有利な展開だ。
Apple WatchとFitbitをはじめとするスポーツトラッカーを比較すると、機能面で欠けているのが睡眠計測だ。それはApple Watchが18時間(=1日)というバッテリ持続時間しか実現できていないため、Apple Watchも人間と同じように、夜は寝かせる──すなわち充電しなければならない。
睡眠は、人が寝ているときに起きる現象であり、スポーツトラッカーを初めて使ったときに最も感動する計測データでもある。自分の睡眠を自分では意識できないからだ。
Appleは、Apple Watchでの睡眠計測を将来的には実現したいと考えているはずだが、その前の段階として、外部のデバイスを用いた計測を可能にしている企業を買収した。
Bedditは、ベッドのシーツの下に敷いて、体の動きや心拍数、室内環境などを計測することができるテープのようなデバイスだ。テープ状の中に組み込まれた各種センサとiPhoneのマイクを使って、睡眠を詳細に計測することができる仕組みだ。
すでにApple Watchアプリで睡眠計測を実現するものもあることから、Bedditの買収=Apple Watchの睡眠計測対応、というわけではないかもしれない。アプリや計測アルゴリズム以前に、バッテリ持続時間を伸ばさなければ始まらないからだ。
ただ、睡眠計測のデバイスを手に入れることは、ResearchKitやCareKitといった、医学研究や医療シーンでAppleデバイスを活用する場合に、睡眠というデータが利用できるようになる。どちらかというと、こちらのほうが、直接的な意味合いは大きいのではないかと考えている。
Apple Watchと医学研究については、もう1本ニュースが流れている。カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)は、Apple Watchとアルゴリズムを用いて、心拍数と心電図のデータを6158人分収集した。その結果、Apple Watchのセンサによって、心拍リズムと心房細動(AF)を97%の精度で区別できることがわかったという。
つまりApple Watchを身につけ、日常的に心拍データを取得していると、不整脈を検知できるようになると考えられる。
Apple Watchは、iPhoneと組み合わせて利用するスマートウォッチとして、そのマーケットを広げている。しかし、他のウェアラブルデバイスと同様に、フィットネス系の機能が最も大きな動機となっている。
Appleはすでに、Macのロック解除にApple Watchを利用するセキュリティ機能も実現している。医療面でもおそらく活用事例を広げて行くだろう。
Apple Watchはスマートフォンほどその役割を勢いよく拡大させているわけではないが、より多くの人々と目的に対して、有効なデバイスになっていくことが期待できる。
アップル、睡眠トラッキングのBedditを買収--「Apple Watch」の野望に貢献か(5/10)Appleは、Lattice DataというAI関連企業を買収したとみられる。この企業はカリフォルニア州メンロパークに所在し、機械学習を利用して構造化されていないテキストや画像などを、従来のデータ分析ツールで分析できる構造化データに変換する技術を擁する。
20人のエンジニアがAppleに加わり、その買収額は2億ドルとみられる。Appleは、音声アシスタントのイメージが強いSiriだが、機械学習や検索などの技術を、「Siri」のチームで開発している。おそらくLatticeのエンジニアもこのSiriチームに入ったのではないかと推測できる。
アップル、「ダークデータ」活用するAI関連の新興企業Lattice Dataを買収か(5/15)Appleは先週の米国株式市場で、時価総額が7767億ドルとなり、株式公開企業として過去最高記録を更新した。市場では、8000億ドル、1兆ドルといった大台への到達にも期待が集まっている。
Appleの株価は2016年に100ドルを割り込む場面も見られたが、現在は155ドル前後で推移している。直近で株価が好調な理由は、資本還元プログラムによって、自社株買いなどが積極的に行われていること、そして次期iPhoneと目される「iPhone 8」の噂が高まっていることだ。
AppleのTim Cook CEOはテレビのインタビューで、「iPhone 8の噂の高まりが、iPhone 7の販売不振の原因」と語っている。特に落ち込みが激しい中国市場では、裏を返せば、iPhone 8に対して非常に強い需要を見込めるとの期待につながっている。
iPhone 8の発表は9月、発売はそれよりも後になるとみられており、株式市場でのジンクス「噂で買って、事実で売る」の「噂での買い」の状況は、まだしばらく続きそうだ。
アップル、時価総額の最高記録を更新(5/9)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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