クラウドサービス比較サービス「ボクシル」を運営するスマートキャンプは5月29日、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタルおよび既存株主から、総額3億円の資金を調達したことを発表した。2015年4月以降の累計調達額は約5億円となる。
昨今、米国では一般的となっているマーケティングオートメーションツールやCRMツールが日本国内においても拡がりを見せ、より効率的なセールスの在り方が模索されている。しかし、そもそもの営業先の獲得においては、いまだにメールや電話による不特定多数への非効率なアプローチが主流となっていると同社は指摘する。
この課題を解決すべく、2015年より企業の営業活動を自動化するマーケティングパートナープラットフォームであるボクシルの開発に注力してきた。同社代表取締役の古橋智史氏によれば、累計の掲載企業数は2500社を超えており、累計商談発生件数も6万件を超えているという。今回の資金調達により、ボクシルの開発や、それに向けた採用強化を実施。サービスを探しているユーザーとサービスを提供する企業のマッチングの精度の向上を実現するアルゴリズムの開発を加速させるとしている。
また、ボクシルで見込顧客を獲得した後の見込顧客をフォロー、管理するプロセスを支援する新事業として、リードマネジメントプラットフォーム(見込顧客管理)「BALES(ベイルズ)」を立ち上げた。(1)見込顧客の興味度・興味内容を数値化することで適切なアプローチを実現、(2)メールなどのオンラインのヒアリングだけでなく、電話などオフラインでのヒアリングを実施、(3)本格検討に入る企業を可視化し、サービス運営企業に対面商談を提案、といったリードマネジメントサービスを提供するとしている。
特にオフラインのヒアリングでは、従来の対面商談の獲得を目的とするいわゆる「テレアポ」ではなく、サービスへの興味度や社内課題を把握するためのヒアリングの手段として利用。興味度に応じた情報提供や社内課題の解決に適したツール紹介などを行い、サービス検討企業・サービス運営企業両者のパートナーになることを目指すという。
「ボクシルによるリード提供だけでなく、インサイドセールスによるフォローをすることでナーチャリングから案件化までを総合的にサポートする。実際、すぐに案件化しないリードのマネジメントが各社バラバラかつ、社内でインサイドセールスを出来る人材がいない、ということが課題としてあった。BALESは、そういった企業の課題を解決するサービス」(古橋氏)。
同社によれば、ボクシルと併用して使うケースもあれば、BALES単体での問い合わせもあるという。まずは2017年度内で20〜30社に提供する予定。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス