NokiaとAppleは、特許ライセンスと事業提携に関する契約を締結した。両社は、知的財産権をめぐりNokiaがAppleを欧州と米国で提訴したことで、係争状態にあった。
Nokiaは、ディスプレイ、ユーザーインターフェース、ソフトウェア、アンテナ、チップセット、ビデオコーディングなどの技術に関する32件の特許を侵害されたとして、ドイツのデュッセルドルフ、マンハイム、ミュンヘンの地方裁判所と、米テキサス州東部地区連邦地方裁判所に訴状を提出していた。
しかし今回、両社は知的財産権に関するすべての訴訟で和解し、複数年の特許ライセンス契約を締結した。契約の詳しい金銭的条件は公表されていない。
この契約の下、Nokiaは特定のネットワークインフラ製品およびサービスをAppleに提供し、Appleは同社オンラインストアおよび直営店におけるNokiaのデジタルヘルス製品の販売を再開する。また両社は、デジタルヘルス関連の取り組みでの協業を検討している。
今回の契約に伴い、NokiaとAppleの幹部らは定期的に会合を開いて、「双方とその顧客にとって有効かつ有益に機能する関係」を維持すると、両社は共同声明で述べた。
「NokiaとAppleにとって有意義な合意だ」とNokiaの最高法務責任者(CLO)で、Nokiaの特許ライセンス事業を担当するMaria Varsellona氏は述べ、「Appleと当社との関係を、法廷での敵対関係から、両社の顧客の利益のために協力するビジネスパートナーへと移行するものだ」とした。
Appleの最高執行責任者(COO)を務めるJeff Williams氏は、「われわれの係争が今回の和解に達したことをうれしく思っており、Nokiaとの業務関係を拡大していくことを楽しみにしている」と述べた。
今回良好な関係に落ち着いた両社だが、Nokiaが訴訟を起こした際には、AppleがNokiaを「違法な特許移譲の企てに全力を挙げて」着手しているとして非難し、Nokiaの「携帯端末事業は息絶えつつある」とも述べていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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