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1000ドルの「iPhone」はアップルの大ばくち?

Adrian Kingsley-Hughes (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部2017年05月08日 07時30分
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 Appleがハードウェアに常軌を逸した値札を付けることができた時代は終わり、1000ドル以上するiPhoneは大ばくちといえるだろう。勝てるだろうか、それとも大失敗になるだろうか?

 信頼できるサプライチェーンのうわさやアナリストの予想から専門家の大胆な夢想まで、現在あらゆるところで、Appleが1000ドル以上する10周年記念特別iPhoneを計画しているといわれている。Appleは既に1000ドル近いiPhoneを販売している。256GBの「iPhone 7 Plus」が969ドルなのだから、「iPhone 8」か「iPhone 10」か「iPhone Edition」か、最終的なモデル名がどうなるにしても、価格は1000ドル台になるだろう。

 さて、なぜ超高価格のiPhoneがAppleにとって大ばくちなのだろうか? iPhoneはAppleにとってドル箱なのでは? 結局、Appleが新製品に好きな価格の値札を付けても、人々は言いなりに購入するのでは?

 まず、最も明らかなリスクは、1000ドル以上のiPhoneというのは、ニッチ製品でもない限り、高額すぎる点だ。Appleは超高級品に手を出すことがある──18金ケースの「Apple Watch Edition」を覚えているだろうか? だが、iPhoneの販売に陰りが見え始め、テコ入れのためにiPadを値下げしなければならない今、iPhoneの購入プロセスに価格面で摩擦を加えるのは賢明ではないだろう。

 この主張に対して、10周年iPhoneは、18KのApple Watch Edition同様、ただの宣伝用企画なのだという反論がありそうだ。とんでもなく高いモデルを出して、数週間それが話題になるのを眺め、一般モデルの好調な売れ行きを眺めるというケースだ。

 この反論の問題点は、18KのApple Watch Editionは、高価なケースの中身が普通のApple Watchだったことだ。売る気がないもの、あるいはもっと安価なiPhoneを売るための販促物でしかないものに膨大な研究開発費を投じるのは、やや無謀だろう。

 さらなる反論としては、10周年特別モデルは将来のiPhoneの基礎になるため、研究開発費は無駄にはならないというのもある。

 まあいいだろう。そうかもしれない。だが……。

 この主張の問題点の1つは、技術革新のペースは速いので、研究開発の賞味期限は限られていることだ。今年の最先端技術は来年はそうではなくなるので、Appleはさらに研究開発に投資しなければならない。

 Appleには無駄遣いできる金があるのかもしれないが、別の難題は、非常に素晴らしいがものすごく高価なiPhoneが発売されれば、ユーザーは一般人向けの安いiPhoneへのアップグレードを控えるだろうという点だ。結局、今日高価な技術は来年には安くなることを誰もが知っており、特別モデルiPhoneに搭載される高機能が一般モデルに下りてくるまで、アップグレードを1、2年見送るかもしれない。

 そして、Appleは売り上げ増を端末のアップグレードに頼っている。

 反対に、Appleが10周年iPhoneに秘伝のソースを仕込んでも、潜在顧客のあくびしか誘わない可能性もある。「MacBook Pro」の「Touch Bar」のような革新技術は、Appleの期待通りの大ヒットにはならなかった。購入者をわくわくさせるのは難しくなってきているのだ。

 そう、だからこれはAppleにとって非常に大きなばくちなのだ。Appleが勝てば、同社は「iPhoneはおしまいだ」という言動を、一時的にだが止められるだろう。うまくいかなければ、Appleは逆境にあるということだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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